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ツツジの季節に未来のツツジの話

2025.05.01

こんにちは。みんなの花研ひろばです。

満開のツツジがきれいですね。というわけで、本日5月1日は「スズランの日」ではありますが、今回はツツジのお話を。

実は最近、島根大学が“100日以上咲き続ける”という、驚きのツツジの新品種を開発したそうなんです。すんごいビッグニュース。

ニュース記事はこちら。

 

記事内より一部抜粋→「花の色を変えつつ100日程度花が持続する「見染性(みそめしょう)」という性質がある江戸期の品種に着目。この品種は花が小ぶりのため、大きな花の品種、春と秋に開花する「二季咲き」の品種との間で交配を重ね、花が大きくて長持ちする二季咲きの品種を開発した。

4月中旬から濃い赤い花をつけ始め、5月下旬~6月に黄緑に変色し、7月には淡い赤色になるという。10月に再び濃い赤色の花が咲き、同様の変色の過程をたどる。」

 

なんと赤から黄緑、そしてまた赤へ。まるでアジサイのように季節ごとに花色を変え、さらに秋にも再び咲くなんて、まさに“未来のツツジ”が誕生した感じです。季節ごとの風景も、この花によって変わってくるかもしれませんね。

このツツジを開発されたのは、島根大学の小林先生。こちらの方です:

開発されたのは島根大学の小林先生。こちらの方。

 

うーん、切り花(枝)にもなりますでしょうか。と思って論文を拝見しますと、エチレンの感受性が低いそうです。切り花としても長持ちするでしょう。比較的花が小さいのも切り枝向きだと思います。枝物生産も盛んになっていますし、可能性ありでしょうか。

あとは枝ぶりと葉の感じがどうか・・・でしょうか。実分を拝見しないと何とも言えませんが。

 

それにしても、今はまさにツツジの見ごろ。あまりに美しかったので、散歩がてら写真を撮ってみました。写真にあるのは「オオムラサキ」という品種です。街中の植え込みなどで一斉に咲き誇る姿を、一度はご覧になったことがあるのではないでしょうか。

このオオムラサキ、実は江戸時代に作られた品種なのだそうです。つまり、何百年も人々に親しまれ続けてきたツツジなんですね。鮮やかな花色が魅力的でありながら、管理も比較的ラク。ざくざくと丸く剪定するだけで形が整うので、扱いやすい花木です。

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フジとのコラボショット。

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このオオムラサキ、実は江戸時代に作出された品種だそうです。つまり、数百年にわたって愛され続けてきた花ということですね。写真のように鮮やかな花色が魅力でありながら、管理も比較的簡単です。ざくざくと丸くカットするだけで形が整います。

 

昔、植木屋さんでアルバイトをしていた頃、よく刈り込んだのがこのツツジとキンモクセイ。素人でもざっくり切って大丈夫と言われ、楽しみながら作業していたのを思い出します。とはいえ、やはり“美しく整える”というのは簡単ではありません。近づきすぎると全体が見えなくなるため、職人さんたちは休憩中、お茶を飲みながら遠目に仕上がりを確認し、細かく微調整していました。

当時の仕事の大半は松の手入れでしたが、アルバイトが剪定したツツジも、「丸くまとまっているか?」「刈り込み線はまっすぐ出ているか?」など、しっかりチェックが入ります。ただ休憩しているだけじゃないんだぞ、と学んだものです。

だからこそ今でも、街で見かける美しく整えられたツツジを見ると、思わず心の中で「やるなあ」とつぶやいてしまいます。

未来のツツジにも期待をふくらませつつ、今この季節ならではのツツジの風景をたっぷりとお楽しみください。

それではみなさま、ごきげんよう。

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