花研コーヒーブレイク
十五夜の花は、マクドナルドの月見バーガーと同じ“期間限定”でいこう
2025.09.11
こんにちは。ゲストブロガーのアスクレピアスです。
気温はまだ高くても、街や市場には秋の気配が漂い始めています。秋といえばみなさまは何を思い浮かべますか。
私は十五夜です。今年の十五夜は10月6日(月)にやってきます。
十五夜といえば満月、月の中のうさぎ、ススキ、ピラミッドに積まれた団子…そして、マクドナルドの“月見バーガー”。この連想をしたとき、「月見バーガーがここまで刷り込まれているのか!」と驚きました。
実はマクドナルドの月見バーガーの初登場は1991年。それ以来、毎年秋に期間限定で登場し、今や「秋の風物詩」と言われるほど定着しています。
なぜここまで浸透したのでしょうか。
「期間限定」という特別感と、SNSでの拡散力がここまでの認知度・人気度を高めたように思います。誰かが「今年も月見バーガー食べた」と投稿すれば、食べたくなるのが人間の心理。そして、私もその一人。こうして、月見バーガーは秋を感じるスイッチになりました。
では、“十五夜の花”はどうでしょうか。十五夜に飾られる花といえば、ススキ。
なぜススキなのかというと、茎が中空で神霊の宿りになると信じられていたからだそうです。さらに、穂が稲穂を連想させ、豊作祈願の意味も込められています。つまり、ススキは「神の依代」であり、「実りの象徴」でもあるのです。一気に神格化しちゃいますね。
花も“期間限定”で楽しみたい!
十五夜の花は、まさにこの時期だけの特別な楽しみです。選択肢はシンプルでいい。
王道にススキ。
そこに、ワレモコウのような秋色をひとつ加えるだけで、落ち着いた秋のインテリアに早変わりします。
もしモダンに楽しみたいなら、ススキに代わり西洋ススキと呼ばれるパンパスを取り入れるのもおすすめです。
って言われても、普段飾り慣れていなければ、何をどう組み合わせればいいのか悩んでしまう方も多いのではないでしょうか。興味はあるけど何を買ったらいいのか分からない。だからこそ、お店でふと「月見セット」が用意されていると、ついつい手に取りたくなります。
月見バーガーを食べると秋を感じるように、十五夜の花を飾るのも期間限定の贅沢。
この時期しか楽しめないことを、五感でしっかり味わいたい。私はススキやパンパスを取り入れて、十五夜を贅沢に楽しむ時間をつくりたいと思っています。
それではみなさま、ごきげんよう。
参考文献:『花の民俗学』桜井満著、講談社学術文庫
・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・
フラワービジネスノート2026は9月15日発売です。もちろん「十五夜」「中秋の名月」もばっちり書いています。