花研コーヒーブレイク
しゅっとしてふわり!花き業界と「雑穀」について考える
2025.07.23
花研の一研究員です。
今日は雑穀についてコメントさせてください。
先日の日本農業新聞に日本雑穀協会のユーチューブチャンネル紹介記事がありました。アマランスの写真が掲載されておりましてとてもいい感じです。
ユーチューブはこちらです。
そもそも「雑穀」とは何でしょうか。日本雑穀協会の定義によると、雑穀とは「主食以外に日本人が利用している穀物の総称」です。
具体的には、以下のような10の分類が含まれます。
たとえば、
- キビ・アワ・ヒエなどイネ科の穀物
- アマランサス・ソバなどその他の穀物類
- 大麦・小豆などのマメ科
- ゴマやヒマワリなど、油をとるために栽培されながらも粒として食べられるもの
- 黒米・赤米などの有色米
かなり幅広いですね。詳しくは日本雑穀協会のHPをご参照ください。
さて、花き業界でもこうした雑穀に該当する植物が使われています。
代表的なものに、ケイトウ、ヒモゲイトウ、アワ、ロクジョウムギ、さらに最近ではカラフルなトウモロコシや有色米なども登場しています。
ただし、花き業界での「雑穀」の捉え方は、食用とは少し異なります。
生態や用途による分類ではなく、実際の流通の中で認識されてきた呼び方が主流です。たとえば、ヒモゲイトウはその名で通っており、あえて「雑穀」と呼ぶことはありません。
一方で、花き業界ではイネ科の植物を「グラミネ」と総称することがあります。「グラミネ(Graminée)」とはフランス語でイネ科植物を意味し、観賞用として流通している繊細なイネ科の植物、たとえばスモークグラスやミューレンベルギア(カヤの仲間)などが該当します。いずれも「しゅっ」として「ふわり」とした穂が魅力です。あるいは、英語でグラスとかグラス類などと呼ばれることもあります。
ただし、ススキやパンパスグラスのようなアイテムは、それ単体で以前から一つのカテゴリーを築いていますので、イネ科には違いありませんが、少しニュアンスが異なると捉える人もいらっしゃるかもしれません。
それにしても、「グラミネ」という響き、どこかおしゃれで雰囲気がありますよね。
花き業界には「花き」や「フラワー」「ブルーメン」など、多様で魅力的な呼び名があり、語感が持つ奥深さを感じます。となりますと、食用雑穀にももう少し魅力的な呼び名があってもいいのではと思うのです。「雑」っていうのもね、なんだか雑にまとめた感じがあるんですよね。そこで、私なりに提案してみたいのが「諸穀(しょこく)」という言葉です。もちろん造語です。もしくは誰かがすでに使っていらっしゃるかもしれません。
さまざまな穀物の魅力、多様な地域の名産としての広がりを表現する呼び名として、「諸穀漫遊」なんていうイメージも素敵かなと思っています。花き業界でも食用の世界でも、雑穀は多様で奥深い存在です。呼び名ひとつで広がるイメージの力を、改めて感じる機会となりました。
それではみなさま、ごきげんよう。