OPERATIONAL PERFORMANCE花研コーヒーブレイク

“神仏との交信?!” ~超巨大な植物飾りについて~

2025.08.12

花研の一研究員です。

“研究員”でございますので、花き文化などについてもまた研究しております。自分なりにテーマが複層的にありまして、「文化」についての研究も、その一つというわけです。

 

さて、その花き文化の研究対象のひとつとして、各地の風習における花き文化として生き残る共通点「ダーウィニズム的視点」からの文化があります。ダーウィンの進化論を文化現象に適用した考え方で、各地に残る文化は、適者生存や自然淘汰といった概念と同様に地域社会で適したものが変容、伝播しながら生き残る、継承されるというものです。

 

つまり、文化の多様性や変化を生物の進化として理解することです。生物が多様であるように、文化もまた多様であり、それぞれの文化は異なる環境に適応した結果として生じていると考え方と言えるでしょうか。

 

そんなことで、農文協の書籍『山と獣-焼き畑と祭りにみる山村の民俗誌』をぱらぱらとめくっていたら、超巨大な「花モチ」についての記載がありました。

通常、花き市場取引で見かける花モチは、柳などの枝にビー玉ほどに丸めた紅白の餅をつけて正月に飾り、豊作を祈念するものです。市場では商品性をいち早く高めた「飛騨の花モチ」(飛騨農協様)としてブランド化し展開しています。

 

さて、その書籍で紹介されていた花モチがとにかくデカイ。白黒写真(昭和55年撮影とある)をみると、3mぐらいの木の枝というか、枝どころではなく幹そのものに、全部で3-4合はあろうかと思うほどの餅を団子状にして、木の枝のあちこちに練りつけている。写真からは、やたらと一緒に写っている人が小さく見えるのですが、きっと花モチの木が大きすぎてスケール感がずれてしまうからでしょう。

 

大きな花モチを飾るその風習が現在にも伝わるのは、滋賀県山東町志賀谷(現在は米原市)の志賀神社だそうです。素晴らしい習慣が今も残っているのか、気になって地域の行政にメールしたところ回答がありました。

 

「現在も続いているが、人手不足などから、大きな花モチ(正式名称は「御華」というらしい)をつくる本祭は4年に1回だそうで、来年2月が本祭」なのだとか。それほどまでに巨大な花モチが作られるのか、気になるところです。

こちらから↓志賀神社における一連の伝統イベントの中で、巨大花モチをところどころでご覧いただくことができます。すごい伝統行事です。

YouTubeで志賀神社の「冬の伝統行事 志賀谷 華の頭」(米原市役所YouTubeチャンネル Maibara city official Channel)

 

きっとほかにも巨大な植物を使った祭事、イベントは各地にあると思います。神様が遠くからでもわかるようにという思いなんでしょうかね。皆さんの地元にもそういう祭事がありましたら、ぜひ花研までご連絡ください。

 

それではみなさま、ごきげんよう。

 

※8月14、15日は大田市場(花き部)休市につき、当社でも営業休日とさせていただいております。

予めご了承くださいますようお願い申し上げます。

 

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