花研コーヒーブレイク
ヒントをたどってる”好きな花クイズ”
2025.09.19
こんにちは。ゲストブロガーのプラティコドンです。
2回目の投稿になり、このブログを読んでくださっているみなさまがどんな方なのか想像してみましたが、きっとどんな方であれ、花が好き!という共通点があると思いました。今回はそんなみなさまに“私の好きな花”をクイズ形式でご紹介してみたいと思います。
ヒントを読みながら、どの花のことかぜひ想像してみてください。
まずは市場の流通情報から少しずつ絞り込んでみましょう。
2024年度の大田花きでの流通量は通年で約260万本(全体の0.7%)。そのうち最も多いのは5月で約40万本出荷がございます。暖地では愛知県からのご出荷が最も多く、寒冷地では北海道からの出荷が多くございます。
だんだん絞れて来ましたか?
ここからは、花の特徴に注目してみましょう。
1本立ちタイプのものとスプレータイプのものがあり、どちらも花がたくさんついています。
学名の由来は「イルカのような花」、日本名では「燕のような花」として命名されました。いずれも花びらの一部が後部に突出している「距(きょ)」と呼ばれる部分を含めた花形から連想されました。ではここで比較してみましょう。
※「距」と呼ばれるこの部分が、それぞれの動物の尾の部分を想起させたようです。
ここまで来ると、ピンときた方も多いのではないでしょうか?
最後に特大ヒントです。
その花は澄んだ青や紫が特徴で、見ているだけで涼しさを感じさせてくれます。ほかにも白やピンク、現在は出荷がありませんが、赤の品種もございます。
もうおわかりでしょうか。
そう、正解はデルフィニウムです!
学名 Delphinium はギリシャ語でイルカを意味する Delphisに由来し、和名では燕が飛ぶ姿に見立てて「飛燕草(ひえんそう)」といいます。学名と和名で、花の形を別々の動物に重ね合わせて名づけられているのが面白いですね。
デルフィニウムには豪華な八重咲きのエラータム系、一重でスプレータイプのベラドンナ系、そして「距」のないシネンシス系など、いくつかの系統があります。
最近はこのシネンシス系が主流になり、小売店で見かけるのもほとんどがこのタイプです。1995年頃からの品種改良で「距」をなくし、花の形や扱いやすさに特徴があります。
かくいう私も、このシネンシス系が特に好きです。スプレータイプなので1本で飾るととてもボリュームが出て高級感がありますし、切り分ければ1つ1つの茎が細いので、小さな花瓶や口の細い花瓶にも難なく生けられます。飾り方の幅が広いのも魅力の一つですね。
さらに、花が終わったあとの姿にも楽しみがあります。子房がふくらんでシードヘッドの状態になるとまた違う雰囲気が楽しめ、秋に飾っても合いそうだなと思いました。
みなさまならデルフィニウムをどのように飾りますか?
流通ピークこそ5月ではありますが、通年ご出荷されていますので、私の“好き”をみなさまと一緒に楽しめたらうれしいです。
それではみなさま、ごきげんよう。
〔参考文献〕
『花屋さんが知っておきたい花の小事典』宇田明・桐生進著/農文協
『最新 花き園芸ハンドブック』鶴島久男著/養賢堂