花研コーヒーブレイク
クイズで楽しむ花の世界② 赤い団扇の正体は?
2025.11.03
こんにちは。ゲストブロガーのプラティコドンです。前回の投稿では私の好きな花をクイズ形式でご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?
今回はその第2弾ということで、もう一つ私の好きな花をご紹介します。今回も一緒に楽しんでいただけたら嬉しいです。
それではヒントを読みながら、どの花のことか想像してみてください。
まずは前回同様市場の流通情報を少しずつ絞り込んでみましょう。
2024年度の大田花きの流通量は通年で約110万本(全体の0.3%)。一年を通して安定して入荷があり、輸入が約6割、国産が約4割となっており、輸入は台湾が中心、国産は福島県が大きな割合を占めています。特に国産は近年の伸びが顕著で、2018年度はシェア1割で福島県の出荷もありませんでしたが、2019年度以降に生産が始まり、現在のシェアにまで成長しています。
続いて名前の由来からヒントです。
学名の由来は「尻尾のような花」、日本名では「団扇のような花」として命名されました。
これはハート形に変形した苞葉「仏炎苞(ぶつえんほう)」と、棒状の花「肉穂花序(にくすいかじょ)」から連想されました。では画像で比較してみましょう。
↓尻尾のような花??

↓団扇のような花??

ここまでくるともう答えが見えてきたでしょうか。南国を思わせる雰囲気で、艶のある真っ赤な姿がよく知られていて、花言葉は情熱。
その花の組み合わせはまさに尻尾と団扇!
そう、正解はアンスリウムでした!

学名Anthuriumは、ギリシャ語で花を意味する「Anthos」と尻尾を意味する「Oura」 に由来し、和名では赤い仏炎苞(苞葉)が扇のように見えるとこから「大紅団扇」といいます。学名では花の形から、和名ではその周りの仏炎苞の形から連想されて名付けられており、同じ花でも見る人や地域にによって何を特徴づけて命名するかが変わるのが面白いですね。
好きな花と書いていますが、実は最初からアンスリウムが好きだったわけではありません。肉穂花序の部分が少し苦手でどちらかというと敬遠していました。ところが大田花きに入社してから、赤だけでなく、さまざまな色の組み合わせがあることに気づきます。一般に多くの花は一色で咲くことが多いのですが、アンスリウムは肉穂花序と仏炎苞で色が異なることもあるため、色の選択肢がぐっと多彩になるのです。
そのことに気づいてから一気に魅力に惹かれ、私の好きな花としてランクインしました。
ここで、私の「推しアンスリウム」をいくつかご紹介します。
★キャンディ

★プレビア

★ネロ
これらの写真は大田花きのこちらのサイトから引用。そのほかさまざまな品種をご覧いただけます。
画像は全て福島県の川俣町からご出荷いただいたもので、キャンディとネロは国内のみで生産されている品種です。
今回、写真を並べてみて気づきましたが、どうやら私は肉穂花序と仏炎苞が同系色のものが好きみたいです(笑)。
アンスリウムと聞くと「夏の花」というイメージをお持ちの方もいらっしゃるかもしれませんが、色の組み合わせによっては春夏秋冬どの季節にも似合う花です。ぜひみなさまも、ご自身の暮らしや季節に合わせてアンスリウムを選んで飾ってみてくださいね。
それではみなさま、ごきげんよう。
参考文献:『花屋さんが知っておきたい花の小事典』(宇田明・桐生進著/農文協)











