花研コーヒーブレイク
サンマ豊漁と花き流通に見る「リービッヒの法則」
2025.09.16
こんにちは。みんなの花研ひろばです。
今年の夏は猛暑や台風・竜巻などの災害が相次ぎ、花を含む農産物が品薄になり、価格も高めに推移しています。そんな中で「サンマ豊漁」のニュースは、生活者にとって朗報といえるのではないでしょうか。
ここ数年は漁獲量が減り、サンマはスーパーでも高嶺の花ならぬ“高嶺の魚”or“高値の魚”!で、高級感はウナギ級。銀色に光る姿を見かけても、なかなか手が出せない贅沢品のような存在でした。それが今年は久々に戻ってくれたサンマちゃんたち。ありがたい話です。
とはいえ、漁師さんたちにとっては課題もあるようです。獲れすぎて冷凍トラックや氷が足りず、保存するにできず、では加工に回すにもすでに加工場もほかの魚の加工でフル稼働。サンマちゃんたちの受け入れ余力がないため、せっかくの大漁も行き場を失うというニュースも耳にしました。忙中閑ありで、大漁の時は漁師さんにも少し骨休めしてただければとも思いますが、そんなわけにもいかないのでしょうかね。
さて、この朗報を受けて週明け出社しますと、「今年のサンマとフラワービジネスノートの関係がわかりましたか」なんて、開口一発質問を投げられてしまいました。
(あ~、そうそう、だいたい花研の1日は、こういったクイズから始まるのです。)
「??」と思いながらも、サンマの豊漁からフラワービジネスノートの販売に繋がるような風桶(かぜおけ)シナリオを考え発表しかけましたら、
「リービッヒの法則ですよ。フラワービジネスノートの“ごあいさつ”欄に書いたでしょう。サンマの豊漁もすべてが生活者に届くわけではないという事象は、花の流通にもそのまま当てはまるということです」
と。流通のボトルネックが全体の限界を決めてしまう。今回のサンマ例はまさに「リービッヒの法則」の典型例でしょ、ということでした。
どんなに生産が順調でも、サプライチェーンの弱い部分があると、それが全体の流れを滞らせてしまうのです。フラワービジネスノートの巻頭あいさつに、「流通の弱点はみんなで補っていこう」と書かせていただいたのも、まさにこの視点からでした。
サンマが豊漁でも、消費者の食卓に並ぶまでにはいくつもの壁があります。花も同じことでしょう。今年のサンマのニュースを「他山の石」として、業界全体で力を合わせ、ボトルネックをひとつずつ解消して、花がより多くの人に届くしくみを構築していきたいものですね。
みなさまの業務にお役に立てれば幸いです。ぜひご利用くださいませ。
それではみなさま、ごきげんよう。