花研コーヒーブレイク
”本物”は格別!~旅と音楽と花の共通点~
2025.10.20
こんにちは。みんなの花研ひろばです。
そんなに頻繁にではありませんが、定期的にクラシックコンサートに行きます。好きな人にはかないませんが、昔習い事をしていた関係でちょっと好きなんです。ほんのちょっとね。
先日久々にコンサートホールで好きな楽曲の演奏に酔いしれました。酔いしれながら、クラシック音楽の生演奏を聴くのは海外旅行をすることに似ているところがあると思いました。
海外の景色はSNSやテレビなどで見ることができ、その土地の様子や景色を見ながら素晴らしい一瞬に出合うことができます。
一方、海外の地に赴くと、360度その土地に包まれ五感で感じることができます。眼に見えるものばかりでなく、温度、湿度、地際に生える植物、道路の隅にあるもの、ドアから出てくる人々、すれ違う人の香水の匂い、空気で感じる治安など・・・ネット情報では伝わらない多くのことを察知することができます。
クラシック音楽もこれに似ています。CDや配信で聴く音楽は心を癒してくれますが、会場で聴く生オケはまったく別の体験です。喩えるなら、CDで聴くクラシックの一曲は、小さなスマホや限られたウェブ画面で見る海外の景色に似ているように思いました。
※MPSジャパンの松島さんのようなクラシックマニアな人は別格です。念のため。松島さんは同じ曲でも、演奏する楽団や指揮者が違うバージョンをたくさん持っていて、ブラインドで違いを聴き分けるというのですから激レア級です。このようなケースは例外とさせてくださいww
実際に会場で聴く生オケは、空気を震わせる音の迫力、指揮者の躍動感、演奏者の表情や息遣い、ピチカートで弦を弾く揃いの様子や音が止まった瞬間の静寂など、CDやテレビでは伝わらないものを感じることができ、作曲者が描いた光景さえ目に浮かぶようです。音楽に包まれる時間は、まるで旅をしているような豊かさがあります。またそのような体験に誘う(いざなう)生オケというのは本当に素晴らしいものと思います。
きっと、花のデザインや作品にも生オケや旅行に似たものがあるように思います。
SNSには本当に素晴らしい花の作品があふれていて、アタクシ自身もたくさん刺激を受け、学ばせていただいています。
それをもらったり買ったりすることで、香りや花の重み、植物の生命を感じながら、手元で楽しめることは素晴らしいことです。
そのような瞬間を提供できるフローリストやデザイナーさんはさらに素晴らしいと思います。
音楽も旅も花も五感で味わってこそ心に残るもの。実際に手に取ってもらい、香りや植物の生命を感じてもらう瞬間こそが、花の魅力が伝わるときではないでしょうか。
なんて、クラシック音楽を聴きながら思ったとさ。
それではみなさま、ごきげんよう。