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雑草王ギシギシが、笑顔あふれる応援素材に昇華!?

2023.05.30

こんにちは。みんなの花研ひろばです。

 

雑草というか、在来植物というか、昔から田舎では景色の一つとして当然のように馴染んで道ばたに生えるギシギシという植物があります。

名前からいってもいかにも雑草で、有史以来あまり人の役に立ったことがありませんと言わんばかりのネーミングです。

 

さて、いつものように花業界必読のフローラルデイリーWEBマガジンを読んでいたら、イスラエルのダンジガー社がギシギシの園芸種を発表しているではありませんか。ギシギシの園芸種てこれ、そこに目をつけようと思うところが並々ならぬ園芸人魂を感じます。大田市場の仲卸さんでは、川原で収穫したような自然な感じのギシギシをよくお見掛けしますが、それは直線でタテラインを作るもの。一方ダンジガーの園芸種は、ふさふさとした柔らかな花穂がたおやかなカスケードラインを描きます。

現在の日本の花きマーケットにおけるタラスピ(ナズナの一種)ブームは海外からもたらされたものですが、ギシギシも海外から日本に紹介される日も近いかもしれません。

 

こうした野原に自生していそうな花卉品目を明確な境界線なくざっくりとナチュラル系と読んでいます。そのナチュラル系品目・品種が増えたため、近年ではその中でもイネ科はグラミネ、ハーブ類はハーブ系などとサブカテゴリー化が進んでいます。しかもナチュラル系素材は世界同時多発的に評価されています。欧米ではフィールドブーケという商品名で小花類を多用したブーケ商品を展開する生花店もありますし、アフリカにはサマーフラワーという呼称で商品を出荷する生産法人もあります。

 

さて、ギシギシが商品化されたことでまた一段と花きの多様性が拡大したように思います。イノベーター理論というトレンド拡散に関する理論があります。流行は一部のマニア(イノベーター)から始まり、新しもの好き(アーリーアダプター)が取り入れ、一定レベルに達すると爆発的に取り入れる人が増えるという理論です。あらゆるものやトレンド減少の普及に当てはまります。

 

母の日の生花店では、お邪魔したほとんどの店舗でタラスピが使われていました。ナチュラル系の浸透の裾野を広げ、普及率は相当なものでしょう。イノベーター理論でいうところのラガード(トレンド無視派)を除くほぼすべてに浸透したといえるかもしれません。ナチュラル素材にギシギシが加わる土壌ができ、フローリストさんにとってもデザインの展開が幅広くなるように思います。

 

それではみなさま、ごきげんよう。

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