OPERATIONAL PERFORMANCE花研コーヒーブレイク

齟齬

2018.08.30

ここ1年くらいでしょうか、花研ブロガー2号も弊所の所長も、お客様やフラワービジネス従事の方などからデータについていろいろとご意見をいただくようになりました。

ご意見の向きはさまざまです。

推計値に関するものから、国が発表しているデータに関するご意見、ご要望、ご指摘など。

平均値の出し方に対するご意見もあれば、公式データと日々最前線で生花販売をされている方の肌感覚との乖離などについてお話を伺うこともあります。

このようなご意見を頻繁にいただくようになった理由はわかりません。

「花研が多少データを扱う機関であることが知られてきた?」

「データや情報が掲載されている花研手帳やフラワービジネス手帳が広まってきた?」

「(何らかの理由により)データに関する意識を持つ人が増えてきた?」

「思うように販売が進まないことから、データによる分析をしてみようと試みるケースが増えた?」

「国や公的機関が発表するデータ、当社の計算が現実的なものではなくなってきた?」

どれかかもしれませんし、全部かもしれませんし、どれでもないかもしれません。

理由はわかりませんが、データやデータ算出方法に関するお問い合わせやご意見が増えたのは確かです。(増えたのか、今だけなのかも不明ですが。)

しかし、国から発表される花きに関するデータの種類は減少傾向にあります。

 

ここに齟齬があるように思うです。

データに関するニーズや意識は高まっている(少なくともそう感じることが多い)のに、オフィシャルに国から発表されるデータはどんどん簡略化されたり、減少傾向にある。発表される元のデータがなくなるため、推計値が多くなり、推計を基にまた推計をするから、現実的な数字と乖離が大きくなる。

このようなことで、弊社にお声が届くというケースも中にはあるのではないかと想像します。

 

これはもうデータに関するニーズと国の方針との齟齬と同時に、小規模産業の悲哀を感じずにはいられないのです。

統計データの調査をする際、全てに手をかけられないから、便宜的に数字で割り切るのはやむを得ない手法でしょう。私どももそのように割り切ることはあります。数字で線引きをするのは、ある意味フェアとも言えるかもしれません。

しかし、産業規模、取扱品目の大小にかかわらず、取引に携わっている人はその情報を必要としていています。数字で切り落としてしまうと、場合によってはデータによる客観分析が困難になり、弱小はさらに弱小になるというスパイラルにはまってしまう可能性すらあります。

産業の規模に関わらず、花き業界は公式な詳細データを必要としています。このことをアピールしつつも、やはり業界の中で必要な統計データは、自分たちで協力し合って定期的に出していく仕組み作りも必要と感じます。ほかの業界団体がそうしているように。

pagetop