OPERATIONAL PERFORMANCE花研コーヒーブレイク

脳科学からアプローチするマーケティング

2017.03.16

先週の火曜日(3月7日)、あるお取引企業様のご招待で、「0秒マーケティング」と題打ったセミナーにお邪魔させていただきました。

その中で、ある脳科学の先生の講演が大変興味深いものでした。

一部をかいつまんでご紹介いたしますと以下の通り。

好き嫌いを脳が判断する特徴は・・・

・0.1秒で決めている(早く決まる)

・無意識に決まる→本人は好きか嫌いかを意識していないが、実は脳内で決まっている

この場合、対象は人であり、モノについては研究中なのだそうです。

「好き」になるかどうかは、新奇性(初めて見る)と親近性(慣れ親しんだもの)の組み合わせで決まる。

人の顔は親近性が優位、風景・背景は新奇性が優位になって決まる。(ある程度その人が好きになるかどうかは脳科学でわかってしまうということです。)

これを実践に応用するとすれば、「メイン」と「周辺」の使い分けなどに使えます。広告、DM、CM、車のデザインなどを作成する場合、メインを変えて、背景・基本スペックを変えないことで好感を得ることができることが脳科学の理論に裏打ちされています。

例えば、以前「燃焼系アミノ式」という飲み物のCMがありましたが、音楽や基本構成を変えず、目で見える動画だけを替え、シリーズ化して放送されました(例えばコレとかコレ)。そのCMは私自身の印象にかなり強く残りました。(もちろんみなさまにもと思いますが)

このように脳科学の理論を使えば、人の脳に好ましい印象とインパクトを与え商品の購入に結び付くマーケティングを実践できるというものでした。

 

その他にも以下のようなことが脳科学によって解明されているそうです。

・好みの計測は見る順番(眼球運動)で予測可能。

→生花小売店舗に売りたいものを正面に置くばかりでなく、眼球運動のパターンを生かすことができる??

・個人の来歴(どのような人生を送ってきたか)が好みに影響

・本人も気づいていない好みがある。世に出ないものが売れないとは限らない。

→世に出ていないものをイメージでアンケート調査で埋没させるのは本当に得策か??

・好みは一瞬の体験で変わる。(そして元には戻らない)

・消費者は自分の好みを知らない。理由はあとから無意識に作っている。

・「赤」は視覚の左の方にあった方が背景との親和性が高くなる。

→店舗づくりやPOP、その他紙媒体のデザインに生かせるのでは?

・「顔」(目・鼻・口)と認識された部分には視線が行く。

→そういえばパン屋さんに顔が描かれたパンがあると目は自然にそれをキャッチします。生花売場でも商品、POP、ポスター作りなどで生かせれば、これまで生花店に興味がなかった人の目を引くことができるのでは??カーネーションで作ったわんちゃんアレンジメントなどは、毎年定番で人気があると伺います。

 

などなど、たくさんございますが「好き」や「嗜好性」のしくみを勉強させていただいた良い機会となりました。個人の嗜好性の極めて高い花の販売提案は、この脳科学の切り口からコミットできる余地があるのではないかと思いました。花き業界でも一度講演をお願いしたいくらいです。

「好み」は自分で意識していないのに既に脳内では判断されているもの。医学的証明に基づくアプローチでそこに訴求しようという手法があるわけですね。これから少し注目してみたいと思います。

 

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