花研コーヒーブレイク
【週末閑話】皐月に味わうフィドルヘッド
2025.05.03
「俺さー、フィドルヘッドをボイルしてクールダウンしたところに、ソイソースをかけて食べたところ、Spring has come!!!を実感したのさ」
ってなんだか、「ライ麦畑でつかまえて」を読んでいるような錯覚にとらわれますが、違約しますと、先日山菜を茹でて食べたら、春が来たな~と実感したというわけですね。それだけのことですが、かなりロック調に表現したというわけですね。
「山菜を採って茹でて食べる」とは、もしかするとオランダ人にとっては「初アスパラを食べる」ということかもしれません。
さて、ある雑誌を読んでいたときに「フィドルヘッド」という言葉を見かけました。最初は何のことだかわからなかったのですが、その雑誌がシダ植物に関する内容だったことから、もしかしてゼンマイやワラビの“くるくる”した部分のことかと思って調べてみました。
すると、「フィドルヘッド」はシダ植物の若芽、特に巻いた状態の新芽のことを指すとわかりました。さらに調べると、その形が弦楽器、特にバイオリンなどの先端部分(スクロール)に似ていることから、「フィドル(ヴァイオリン)」の「ヘッド(頭部)」と呼ばれるようになったようです。
ちなみにあのバイオリンの先端の“渦巻き”は、ギリシャ建築のイオニア式柱の装飾(ボルート模様)に由来するという説もあります。でも、実際のところはよくわかっていないようです。
渦巻き模様って古くからあるんですよね。日本でも縄文土器に見られるくらいです。そんなことを思いながら、ふとバイオリンのスクロールが気になった、山菜を食む風薫る5月のある日でした。
それではみなさま、ごきげんよう。よい週末をお過ごしくださいませ。