花研コーヒーブレイク
アヤメ科の花たちに思いを馳せて
2025.05.05
こんにちは。花研の一研究員です。
5月5日はこどもの日で菖蒲の日でもありますが、いよいよアヤメ科の季節ですね。
※花菖蒲はアヤメ科、葉菖蒲はサトイモ科。
日本農業新聞(4月27日号)で、小糸のカキツバタ出荷開始にあわせた「目ぞろえ会」の様子が紹介されていました。カキツバタは、いけばなには欠かせない存在。いよいよ季節が巡ってきたなあと感じます。
カキツバタをはじめ、アヤメ科の植物は、花き業界でも、生活の中の行事でも欠かせないものばかり。ほかにも、ヒオウギの実やオクラレルカなど、渋くて見逃せない存在がたくさんあります。
そういえば、大田区の「ジャーマン通り」の植え込みでも、ジャーマンアイリスのつぼみがふくらんでいました。切り花でも流通していますので、こちらも見かけたらぜひ手に取ってみてください。香りもいいですよ。
こうして改めて見ると、アヤメ科って本当に種類が豊富なんですよね。ちなみに、生活用品ブランド「アイリスオーヤマ」の「アイリス」も、アヤメ科のアイリスに由来しているそうです。ちょっとした豆知識。
さらにもうひとつ、イチハツもアヤメ科の仲間です。あまり馴染みがないかもしれませんが、実はかやぶき屋根の棟(屋根のてっぺん)に植えられる植物です。最近、所ジョージさんの番組で、隈研吾さん設計のかやぶき屋根の家プロジェクトが紹介されていて、たまたまテレビをつけたらこの話題をやっていました。
かやぶき屋根の仕上げは、イチハツを植えること。イチハツは乾燥に強く、根が屋根に張ることで、強度を増し、雨漏りを防ぐ効果があるのだとか。屋根園芸、なかなか奥が深いですね。
最近、市場内で見かけなくなったのがスプリアアイリス・・・国産で昔よく展示されているのを見かけましたが、ほとんど流通がないようです。少しさびしく思いました。
そんなことを思いながら、今日もアヤメ科の植物たちに心をはせています。
それではみなさま、ごきげんよう。