OPERATIONAL PERFORMANCE花研コーヒーブレイク

水替え&水切り不要論!?

2016.02.03

ご自宅で花瓶の水は毎日替えないといけないのか、茎は須らく水の中で切る“水切り”を行わなければいけないのか、と疑問に思われる方も多いと思います。

 

結論から先に申しますと、毎日水を替える必要はないし、水切りをする必要もありません。(ご自宅で花をお楽しみ頂く場合)

 

①花瓶の水を毎日変える必要はありません

小欄では何度も紹介しておりますので耳タコで大変恐縮ですが、切り花栄養剤というのがございます。花瓶にこれを入れれば、毎日水を替える必要はありません。

それでも尚「毎日水を替えるのが一番良いんでしょ!?」と聞かれることがあります。切り花栄養剤をお渡しすると「それ、いらない。毎日水替えするから大丈夫」と言われたことも。

しかし、切り花に最も良いことは切り花栄養剤を使うことです。切り花栄養剤には抗菌剤(殺菌剤の場合も)が入っているばかりでなく、切り花に必要な糖分も入っています。毎日水を替えるより、切り花栄養剤を入れて数日に1回水を替える方が花が長持ちし、且つ大きく大輪に開花するのです。

大の花好きさんで“どうしても毎日水を替えたい!”というくらい花を愛してくださる方は、毎日水を替えて、その度に切り花栄養剤を入れるのがいいでしょう。実はこれが最良の方法かもしれません。切り花栄養剤は生花店やスーパーマーケット、量販店などでお買い求めいただくことができます。

 

②水切りをする必要はありません

茎が空気に触れるとその瞬間に導管に空気が入り、水揚げの妨げになるというイメージから、水切りを必須作業と思われる方もいらっしゃるでしょう。しかし、現在は水切りによる水揚げの効果改善は極めて限定的であることがわかっており、必ずやらなければいけない作業ではありません。

花き研究の国の最高機関である農研機構花き研究所の所長市村先生による論文で発表されている通りです。(クリック)

抄録はこちら

ましてや、よくテレビで紹介されるバーナーで「焼く」とか湯上げなども自宅で行ったことはありません。(業務上、実験でやってみたことはありますが)

何より危ないのと手間がかかるのとでやる気にならないのです。

 

ということで、アタクシの場合、自宅でもオフィスでも花瓶の水を毎日替えることはありません。水が汚れたら替えます(透明な花瓶ですと見た目もよろしくありませんので)。・・・しかし本当はココだけの話ですが、とりわけ今の季節、花が終わるまでほとんど水替えをしません。水はあまり汚れないので。蒸散して水が少なくなったら補充して、最後に切り花栄養剤をチョコッとプラスする程度です。

 

 

また、水を替える際、切戻しはしますが水切りはしません。

(・・・ところが、この度切戻しもしなくていいというミラコーな切り花栄養剤が発売になったのです!この話の続きは明日の小欄にて)

 

 

どなたにおかれましても忙しい日々。ちょっと生活に花があったらゆとりが出ていいなと思っても、その世話をするのにてこずって時間を取られては、ゆとりもなにもあったものではありません。

どうぞ皆様も、花の水替えや管理を大きな負担と思わず、お気軽に花をお楽しみいただければ幸いです。

※上記は個人で花を楽しむ際の話です。プロの生花店様ではそのお店のポリシーやルールに則って水管理をしてくださいませ。

 

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ちなみに今日は節分。大田花きでも豆まきが行われましたが、花市場の場合、たくさん荷物が入ってくることを願い、「鬼は外」の代わりに「大荷は内」と言いながら豆をまくのが慣例となっています。

荷物も福もたくさん訪れますように。

setsubun_mamemaki

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