OPERATIONAL PERFORMANCE花研コーヒーブレイク

英国マークス&スペンサーに学ぶ

2025.08.13

花研の一研究員です。

先日当ブログにて、「ルームクリップ」という住まいのSNSサイトをご紹介しました。

その時の記事はこちらです(2025年8月7日)。住まいにおける花き(とりわけ切花のことを指しています)が身近で重要なアイテムとなっていると確信していますが、はたして生活者のみなさんが、居住空間のどのような場所に、どのように、そしてどのような花きを飾っているのか、その実態について具体的な把握がまだ進んでいないように思います。そしてそのためのアプローチも(どのような手段で把握できるか)なかなか決め手がなく、確立された感じがありません。

 

一方、花きに関するアンケート調査は多くはありますが、ほとんどは機会に関するもの。どのようなきっかけで購入するのか、どのような用途に使うのかということを主体とした調査です。きっかけがなければ、ものは売れない、その続きはないように思えますが、実は飾っているスタイルがかっこいいからと、モデルをマネして飾ってみたいという購入願望もあるのではないでしょうか。

 

SNSでバズったものが、購入拡大するケースは多々ありますが、その多くはつまりは視覚情報から購買に至ったケースです。花業界でいえば、成人式や卒業式で素敵なブーケとの記念撮影画像がSNSにアップされて、花を持ったショットが流行るのは、そのパターンでしょう。同様に、カッコいい居住空間にかっこいい花が飾ってあれば、自分の家もそうしてみようと花やグリーンを買っておいてみたくなるのではと仮説を立てました。

 

室内のどこに、どのような種類が、どのような雰囲気で飾ってあるのか、調査結果を見たことがありません。そこで少しでも参考になる情報が得られるのではないかと思いまして、ただいまルームクリップさんと一緒に調査中です。順調に進めば本件の調査結果は、今年度中にはお伝えできると思います。

 

また、日本における花きの販売方法については、物日や用途を軸とした売り方、そのほか旬の花というシーズナルな提案、〇〇農園産という産地ブランド的売り方が多くを占めると思います。ここにもう一つ軸を考えるとするなら、やはり「ライフスタイル」があってもいいのではないかと思います。

 

なかなか日本国内だけで事例を求めるのも難しいですから海外ではどうなんだろうかとあれこれ見てみました。英国のマークスアンドスペンサーというちょっといいスーパーマーケットがあります。元々は衣料品と日用品の百貨店型チェーンでしたが、今では食品部門(特に惣菜・冷凍食品・お菓子)が非常に有名なようで、日本でいえば成城石井さんみたいな感じでしょうか。ここではネットでも花きを購入することができます。商品は数千円するブーケですが、ご自宅にも飾ることができる商品が掲載されています。いくつかの商品を見ていると、おやっと思う商品が掲載されています。

 

有名なインテリアデザイナーケリー・ホッペン氏がプロデュースしたブーケ商品が掲載されていました。

インテリアを提案する人が部屋のトータルコーディネートを考えるなら、提案するアイテムに花も加えるのはごくごく自然な流れではないでしょうか。日本ではインテリアライフスタイルショップでは花瓶を見かけますが、インテリアの視点を加味して花束を商品化しているところってあるのでしょうか。

 

ライフスタイル・インテリアとしての花き、それも切花というジャンルでの商品化が進みますと、新しい地平線が開けるかもしれませんね。(英語の教科書風)

 

ではまたー。8月18日にお会いいたしましょう。ごきげんよう。

 

※8月14、15日は大田市場(花き部)休市につき、当社でも営業休日とさせていただいております。

予めご了承くださいますようお願い申し上げます。

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