OPERATIONAL PERFORMANCE花研コーヒーブレイク

ヒマワリの季節です その②

2014.07.07

 

5月30日の小欄に引き続き、ヒマワリの季節ですその②。

今回は別の切り口から。

 

ヒマワリといえば太陽に喩えられることが少なくありません。

学名のHeliunthusとは「太陽の花」の意味。英名のsun flowerもそのまま。

フランス国王ルイ14世は自らを太陽王と称し、ヒマワリのデザインを紋章としていました。

太陽神を崇拝するインカ帝国でも、ヒマワリを太陽の象徴と位置付けていました。

ヒマワリに関する絵画を9点描いたフィンセント・ファン・ゴッホは、そのヒマワリが向く先の極東日本に対しては憧れと神秘性を抱いていたといいます。

また、西欧では16-17世紀、ヒマワリが太陽の方向を向くように、信心深い人たちはキリストを信じ続けるとして、宗教にも関連した象徴的意味合いを持っていたようです。

日本でも、弁護士バッジにはヒマワリがデザインされています。ヒマワリが世の中の公平を照らす明るさと自由の象徴だからという理由なのだとか。

 

ヒマワリはいつの時代も世界中どこでも、明るさと太陽の象徴。このように世界中で同じようなイメージを持つ花も意外と珍しいのではないでしょうか。

(ま、太陽の熱に悩まされ、月を神と崇める宗教圏や国ではわかりませんが・・・でも、UAEの販売サイトを見ると普通にヒマワリも売られていますな)

 

前置きがだいぶ長くなりましたが、このヒマワリ、市場に流通している花径8-10cmサイズのものはみなさんにとって当たり前のものになっているかもしれません。

しかし、このような中輪サイズのヒマワリが市場に流通し始めたのは、ほんの1990年代のことなのです。しかも、本来、ご家庭で普通に育てたら、花径20cm程度の大輪に咲く品種を生産者の技術により、小振りに仕立てているのです。

水を切り、栄養を切り、決定的な水不足になる前ぎりぎりのところまで待って灌水。

このようにして育てていくと、輪が小さく、また茎も固く締まったものができあがるのです。ここでも日本の生産技術の高さを垣間見ることができます。

これらはフラワーアレンジメントのニーズに対応するために取り入れられた技術。

 

考えてみれば、いけばな池坊で550年の歴史を有しているように、日本において花の文化は古より受け継がれた大変伝統的なものではありますが、花の栽培体系は近年確立されたものが少なくありません。

例えば、ラナンキュラス。数年前までツボミで出荷されていた脇役の域を出ない草花のひとつでした。ところが、大輪に仕立て、咲かせて出荷する方法を確立してから、春の主役級の花に進化しました。

 

トルコギキョウでいえば、昔はスプレーでツボミもたくさん付いているのがスタンダードでしたが、芽かきをすることにより大輪が豪華に付いた輪咲きが実現しました。

 

生産技術が最近確立されたというより、常に進化しているということなのでしょう。

日常的に花を取り扱っていると、日々同じものが出荷されているように思いますが、花の生産技術は日進月歩。まだ見ぬ将来の花に注目したいと思います。

 

あ、マズイ(^_^;)!今日は七夕か・・・七夕に関わることを書かなあかんかったかな~。ま、ええか。

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