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【英国の花トレンドトップ5】埼玉の太郎君もロンドンのDavidも同じものを食べるのさ!?

2022.05.09

こんにちは。みんなの花研ひろばです。

メールマガジン「フローラルデイリー」に英国における花トレンドとして5つのポイントが挙げられていました。情報源はFlying Flowersという英国内で花を届けてくれるデリバリータイプのフローリストが、専門知識とGoogleとPinterestの検索トレンドを使用して調べたものだそうです。よく検索されたキーワードなどでまとめたもののようです。

 

トップ5のトレンドキーワードはこんな感じ↓

1.シャクヤク

4月下旬から6月中旬に咲くシャクヤクは、春のすべてを体現しています。これらの明るく鮮やかな茎葉のグリーンは、どの部屋にも活気を与え、今年の春には非常に人気があり、Googleによる「シャクヤク」検索、先月154%と急上昇しました。

 

2.ドライフラワー

ドライフラワーやパンパスグラスはここ数年の大きなトレンド。広くご自宅に飾る花として使われてきましたが、この春はドライフラワーがまた別の形式で使用されるようになるでしょう。結婚式のシーズンが近づいており、ドライウェディングフラワーのGoogle検索は、この1か月で信じられないほど、128%増加しました。

これは既に日本でも数年前から垣間見ることができるトレンドで、花研でもよくこのトレンドを生産者様に情報提供しております。

 

3.自然を屋内に取り入れる

室内に自然を取り入れるのは、昨年爆発的に見られたインテリアトレンドで、今年はさらに少し変化しながら継続する見込みなのだとか。この春、私たち花の専門家は、木製の壁パネルの導入することにより、自然を屋内に取り込む動きを予測しています。Pinterestのデータによると、木製パネルの壁への関心は過去3か月で112%急上昇しています。

 

4.ポップコーンイエロー

日本語では黄色を表現するときにポップコーンというボキャブラリーを使わないかもしれませんが、いわゆる卵の黄身のような明るい黄色のトーンでしょうか。「ポップコーンイエロー」とググりますと、トウモロコシの画像が出てきますので、どんな感じがざっくり掴んでいただくことができると思います。こういう明るくて印象的な色を春には注入しないといけませんね、とあります。とりわけ今シーズンは、ポップコーンイエローはインテリアとファッションの世界で大きなトレンドになります。パントンの2022年春夏ロンドンカラーパレットに掲載されていますって。見てみましたら、少し柔らかめの黄色「POPCORN」として紹介されています。

※トーク本筋から外れますが、色の表現が素晴らしいですね。Super Sonic(←何色だと思われますか??)とか、スーダンブラウン、fragile sproutとかNorthern Droplet(何色を想像されますか?)、そしてHumusと表現された色まで!フムスですよ。ひよこ豆のペースト!

 

5.野生

生物多様性を高めるために、全国的に生態系再生化の取り組みが進められ、野生の花への関心が復活したと。野生の花は、花粉交配者であるミツバチなどをサポート。農家さんは野生生物と土壌の健全化をサポートする生物多様性環境を促進するために、圃場の淵にスペース作り野生の花を植えたりしているようです。昨年のRHSフラワーショーではワイルドフラワーが大ヒット。今春はさらに主流になる傾向にあると紹介されています。

 

記事はこちら。

 

こうして拝見しますと、そのトレンドは英国内だけのことではなく、総括して日本の国内トレンドの共通項として挙げられるように思います。

 

やはりこうなると、季節素材が益々重要になってくるように思います。国内産に期待するとともに、国際的な引き合いとして強くなってくることが考えられるため、輸入品の確保、及び国産商品の輸出もさらに期待できます。

輸入品であれば、その国や地域の植生を生かした固有種、季節の品目などはとりわけ可能性が高そうです。またEUや米国マーケットでよく使われているものであれば、今日本であまり浸透していなくても、これから受け入れられることがあるかもしれません。以前は、EUや日本のデザインには差があると感じていました。デザインを拝見すると、これは海外のデザイナーさんが制作したものだろうな~とおよそ予測がついたものです。しかし、SNSなどの普及により画像や動画の共有が瞬時にできるようなり、国や地域ごとのデザインの差というのは小さくなってきたように思います。(となると、国籍ではなく個人やブランドのデザイナーさんというもっと小さい単位のセンス、技術、表現力などが注目されるようになるということも考えられます)

 

こういう現象は例えばですが、「アンチョビとモッツァレラチーズのピザをロンドンのDavidが食べていたら、埼玉の太郎君も同じものを食べる」ということに似ているでしょうか。ロンドンはピザ、埼玉はお好み焼き・・・なぜなら日本にはアンチョビがないから代わりに似たような日本の食文化を堪能するということではなく、大きな潮流としては世界同時に同じものを嗜好するようになってきているということが言いたかったのです。

なんだか不要な解説を入れたために無駄に長くなってしまいましたが、フローラルデイリーの記事を開いていただければ、瞬時にご理解いただけるものと思います。

 

それではみなさま、ごきげんよう。

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