OPERATIONAL PERFORMANCE花研コーヒーブレイク

自転車と観葉植物の共通点

2021.01.20

 こんにちは。ボンジュール内藤です。

今日から二十四節気の大寒(だいかん)に入ります。1年のうちで最も寒さが厳しい大寒を過ぎれば立春ですから、あとは春を待つばかり。まさに今が寒さの山場です。だから大寒山・・・ではありません。あちら(渋谷区)は代官山。

花き業界にいると、二十四節気も当たり前のように意識しますが、業界外の方は意外と意識になかったりするようで、「ナニそれ?」と返答が返ってきたり、お金持ちそうなマダムに「今日はいかんですね」と声をかけられたりします。このようなことに遭遇してもこれがスタンダードと笑顔で冷静に受け止めたいものですね。

 

さて、そんなことを言っているうちに忘れてしまいそうなので、早いところ本題に入ります。

インドネシアでは「コロナ禍で人々の心を捉えたモノは自転車と観葉植物」というJETROの記事。

運動不足解消でサイクリングがブーム、伴い自転車がよく売れ(バカ売れと書く新聞も)、在宅時間の増加に伴い屋内環境を豊かにしようと観葉植物がよく売れているのだといいます。

記事によりますと

(以下引用)

「一般消費者向けの販売が、前年の4倍増となった。また、需要の増加に供給が追い付かず、観葉植物の価格が高騰している。当店ではないが、モンステラに1億5,000万ルピアの値がついた事例を見かけたことがある。観葉植物は育てるのに時間がかかるため、供給がすぐに追いつくものでもない。結果的に、価格上昇につながる。一方、観光や飲食業界が主な顧客のBtoBビジネスは、コロナ禍の影響で需要が減少し、現在は停止状態だ。」

(引用終了)

 

1億5,000万ルピアって、調べてみますと約111万円って出てきますけど(;・∀・)??本当ですか?と聞き返したくなるようなお値段です。

ちょっとしたバブルですね。いや、かなりのバブルかな。もちろん、このブームも時間の経過とともに終わるでしょうと冷静に見ているようですが。

 

 

日経MJ新聞を見れば、さらにはインド、フランス、英国でも自転車が売れているのだとか。

そしてどうやらここ日本においても自転車が売れていることは同様らしい。かくいう私も、10年ほど愛用した自転車にさよならを告げ、新しい自転車を新調。ついでにお店の人に聞いてみますと、やはり自転車は売れているのだそうです。私自身の購入理由は、メンテナンス不足と経年劣化で、買い替え時かなと思ったくらいでコロナとは関係ないと認識していますが、もしかすると潜在的にはコロナ社会に由来しているということもあるでしょうか。(でもさすがに10年乗ったしね。自転車は5-6年で買い替えるものですよと店員さん)

 

先述のご紹介したJETROの記事にも、各国で自転車の輸入台数が増えているという参照データが掲載されていますが、輸入品に限らず本当に自転車の消費が伸びているのか(まあお店の人がいうのですから、少なくともそのお店では間違いないと思いますが)家計消費調査を見てみました。

今回は家計消費調査が定義するところの「大都市」に絞って、自転車、切り花、園芸植物の3つの支出金額をみてみました。単位はすべて円。ルピアではありませんよ(笑)

まずは自転車。(大都市、二人以上の世帯・勤労者世帯・無職世帯)

bike

在宅勤務が始まった3月からの数字を拾いました。11月までなのは、現時点で最新が2020年11月までだからです。

9月以外はいずれも自転車購入金額は増えていて、全体では119%。

 

切り花(大都市、二人以上の世帯)

cutflowers

園芸植物(大都市、二人以上の世帯)(観葉植物だけの括りはなく、観葉植物の支出も園芸植物に含まれます)

potted

家計消費調査からのデータでは、切り花は3-11月大都市では94%、園芸植物は111%でした。そう考えると、インドネシアにおける現象と同様、自転車や園芸植物・観葉植物が売れていたといっていいでしょうか。※本当はコロナ前と後と1年ずつデータを取っただけでは不十分なんですけどね。今日のところは堪忍しくださいませ。

 

昨日のJFMA新春セミナーのパネルディスカッションにご登壇されたカインズ様のお話で、野菜苗やハーブタネセット、グリーン部門は好調、客単価もアップしているが、生花切花は苦戦・・・そこである取り組みを行ったと話は続くわけですが、切り花は同じ生花でも販売好調とまではいかなかったようです。家計消費は消費のすべてを反映しているわけではありませんが、カインズ様のお話と共通する部分が見て取れますね。

 

インドネシアのニュースに端を発し、なんとなく浅はかに考えましたが、花き業界がコラボレーションすべきは自転車屋さんという選択肢が一つあったかもしれませんね。自転車もネットで売れていることもあるとは思いますが、それでも尚ウェブで協業するのもありかもしれませんし、リアル店舗でなにか相互利益のためになるような取り組みができるといいのかもと漠然と思ったりしました。世界中がコロナ禍にあり、生活習慣の改善、生活環境を整えるなどのキーワードで自転車と花きは共通する点があったのかと新たな気づきでした。

それではみなさま、ごきげんよう。

 

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