OPERATIONAL PERFORMANCE花研コーヒーブレイク

若者の花き購入が大きく影響すること 

2020.07.10

この度の九州地方を中心んとした「令和2年7月豪雨」で被災されたみなさまに心よりお見舞い申し上げます。

まずはみなさまの安全確保と生活の再建を最優先に1日も早く日常を取り戻されることをお祈り申し上げます。

すでにご存じのこととは存じますが、農業支援の一環として農研機構が相談窓口を設置しました。この度被害を受けた生産者さまや地方公共団体などを対象に、ハウスが浸水してしまった場合や園芸ハウスが傾いたなど、被害状況に応じて技術指導をしてくれるとのことです。

お問い合わせは農研機構企画戦略本部災害対応統括監まで→TEL029-838-8854

詳細はこちら

ご参考まで。

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こんにちは。ボンソワール桐生です。

総務省が毎月調査する家計消費データの5月分が今週発表されました。切花は前年同月比でちょっとマイナス(98.0%、ちなみに4月は86.0%)。園芸用植物は大きくプラスで127.8%(4月は100.7%)、園芸用品は135.9%(4月は116.8%)でした。

 

世帯主の年齢階級別の消費額というデータもあります。年齢階級別の消費額をみると、切花は20代が前年同月比を大きく上回り572.0%(4月は2166.7%)。30代から50代がちょっとマイナスで60代からが前年並み。園芸植物、園芸用品については、どの世代においても前年同月比を大きく上回りました。ほぼ全世代で園芸ブームが起こったということがこれで理解できます。

 

さて、切花の話に戻ります。20代が切花を購入するようになると販売チャネルに影響してきます。多くの方が帰省した折にお墓参りなどで仏花を購入されると思います。仏花の購買動向について、農林水産省の事業で性別年齢別に調べたデータがあります。農水HPのどこに掲載されているのか発見できませんでしたが、平成30年事業で「仏花に関する消費者調査」というアンケート調査が行われております。この資料は仏花やサカキなどの購買等にテーマを絞って行われたインターネットアンケート調査です。膨大なので、この中の一部を紹介しますと、年齢別性別に仏花をどこで購入するかという設問があります。男性、女性ともに若い世代は専門店で購入する傾向が高いです。

 

これは、花がよく分からない(あるいは花の初心者の場合がある)のでセルフの売り場で買いづらいという理由が挙げられると思います。私たち自身も、何でも初めてのときは、いろいろ教えてくれる小売店、専門店で購入し、徐々に理解が進むとネットや量販店で買ったりしますよね。花においてもそれと同じ現象が起きるのではないかと思います。また、若い世代が専門店で買う傾向が高いのは、スーパーで花が販売されていることが若者にそれほど認知されていないという理由うもあるかと思われます。

 

しかし、昨今のように若者が花を頻繁に購入するようになると花の玄人度もアップし、必然的に近い将来スーパーマーケットや量販店、あるいは専門店以外の新しい花の売り場も意識して見るようになると思います。そうなると、若者はお盆のときなどに帰省したとき、食材とともに花もスーパーマーケットでワンストップ購入する可能性が高まるのです。

 

では専門店ではどのようなサービスでお客さんを呼ぶか、同じ土俵でスーパーと勝負するのは大変です。農水のアンケートは示唆に富む内容が書かれていました。

例えば、「できあいではない、オリジナルのものが欲しい」などです。すでに準備されてすぐに持ち帰っていただけるものもいいですが、オリジナルのものを楽しんでいただくとか、できあいのものには少し足し引きしてオリジナルを作る提案があってもいいかもしれません。仏花といえばできあいの印象があるかもしれませんが、仏花でさえもやはり専門店で買うなら好きなものを選んで飾りたいですよね。専門店さんの強みが発揮できます。また、どうして仏花はカラフルな方がいいのか、どのようにすれば1日でも長持ちするのかなど、説得力のある情報やマメ知識などが嬉しいものですし、そのコミュニケーション自体も価値になります。

 

今年は様々な理由でお盆の帰省もどうなるのか、花の購買スタイルには新しい動きがでてくるのかわかりませんが、仏花においても世代別の購買行動が変わる可能性がありますね。引き続きウォッチしていきたいと思います。

 

それではみなさま、雨続きですがくれぐれもご自愛くださいませ。

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