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父の日ギフトはヒマワリが推し!

2025.06.06

こんにちは。ゲストブロガーのアスクレピアスです。

前回の投稿では、LINEヤフー for Businessにて公開された、2024年の「父の日」に関する検索動向について触れました。母の日と異なり、父の日のギフトに関する検索キーワードには具体的な花の名前はあまり見られませんでした。花業界としては、どのようなアイテムを提案すれば、悩める消費者の方々に響くのでしょうか。

 

一つのアプローチとして、父の日のイメージカラーを活用する方法があります。

店頭のPOPやディスプレイでは、寒色系の青やネイビーを基調とし、アクセントとして黄色を取り入れるケースが多く見受けられます。なぜ黄色かというと、「日本ファーザーズ・デイ委員会」が推進する「イエローリボンキャンペーン」に由来しています。このキャンペーンは、黄色いリボンを用いて贈り物をする習慣から始まり、父の日のイメージカラーとして定着しました。

 

さらに深掘りすると、黄色は「明るさ」「希望」「注意」「見守り」といった意味を人々が感じる色であり、アメリカでは、兵士の帰還を願う象徴として、木や玄関に黄色いリボンを結ぶ習慣が広がりました。その結果「待っている人の気持ち」を表す色としても黄色が定着したようです。

 

とはいえ、「父の日に黄色のものを贈る」という“something yellow”の文化は、黄色いリボンキャンペーンから始まった日本独自のもののようです。花業界としてもこのキャンペーンに乗らない手はありません。花なら黄色はたくさんありますが、季節的にも父の日ギフトとしておすすめの花は「ヒマワリ」です。

 

ところで、ヒマワリは世界中でどのように呼ばれているかご存知でしょうか。

ドイツ語や英語では「太陽の花」と呼ばれ、スペイン語、イタリア語、フランス語、ロシア語では「太陽について回る花」と表現されています。
また、アジアの言語でも、タイ語では「タンタワン」(食べる太陽)、韓国語では「ヘバラギ」(太陽に向いている)、ヒンディー語では「サン」(太陽に顔を向けるもの)と呼ばれ、トルコ語やマレー語、ポーランド語、アラビア語など、多くの言語で太陽に関連した名前が付けられています。学名のHelianthus(ヘリアンサス)もギリシャ語で「太陽の花」を意味しますし、これほど世界中で共通のイメージを持って読まれる花も、ほかに類を見ません。

 

また、花言葉も魅力的です。イギリスでは「光輝」、フランスでは「私の眼はあなただけを見つめる」などがあり、まっすぐに光の方を向いて咲くヒマワリらしい言葉です。

 

ずっとお父さんのことを考えている人もいない人も、考えているふりをして父の日くらいは気持ちを贈りたい人も、ずっと元気でいてほしいお父さんへのプレゼントに適した花だと思います。シンプルでありながらも、明るく前向きなイメージを持つヒマワリは、贈る側の思いを自然に伝えることができます。

 

また、ヒマワリは一般的には高価な花ではなく、手ごろな価格で購入できることも魅力の一つですし、ほかの花との組み合わせも簡単です。例えば、黄色のひまわりに青のデルフィニウムを合わせて爽やかにまとめたり、グリーン系ならユーカリやアイビーなどと合わせてナチュラルにまとめたり、スモークツリーやヒメリョウブ、ブルーベリーなど季節の枝物とも相性がいいですね。あるいは、生花店さんに相談すれば間違いなしです。私も父の日にはヒマワリを贈りたいと思います。

シンプルながらも、心のこもった素敵な贈り物になると思います。

 

ちなみに今週、ベスト・ファーザー賞が発表されました。その表彰式でもばっちりヒマワリが使われています。ベスト・ファーザー賞の会場装飾は、毎年ヒマワリ一色です。

 

もうこれで、父の日の贈り物に悩む人はいませんね?

 

それではみなさま、ごきげんよう。良い週末をお過ごしくださいませ。

 

[引用] 書籍『花ことば─花の象徴とフォークロア2』

helianthus

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