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ウィンブルドンの植栽イングリッシュガーデンの裏側と切花デザインとの共通点。未来は緑化に向かっている?

2019.07.09

こんにちは。ボンジュール内藤です。

 

毎度しつこくてすみませんが、昨晩ウィンブルドンのガーデニングについて特集されていました。

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ウィンブルドンの植栽には数千にも及ぶ植物でイングリッシュガーデンが施されています。自然の美しさが尊重され、そのまま再現した庭造りです。番組ではウィンブルドンの植栽責任者にインタビューしていました。

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会期中には15人のガーデナーでお世話するのだとか。しかし、実際には本当に大変なのはウィンブルドン開幕前。始まれば水遣りや植栽のメンテなどに追われます。会期は2週間ですから、その前の2週間を合わせ4週間は休みなしで働くとガーデナーは答えています。

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先週の小欄で、マレーマウントから観覧できるスクリーンが大きくなり、それに伴い周りの壁面緑化も拡充されたとご紹介しましたが、どうやら拡充されたのはスクリーンのことで、壁面緑化は新しく施されたようです。(昨日の番組情報によるとですが)

その壁面緑化は、ウィンブルドンでは「リビングウォール」と呼ばれているそうです。

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ウィンブルドンのロゴマークはグリーンと紫色ですが、それを意識してかどうか、ここ数年では紫色の花が植栽の中に増えてきたとのことです。切花でもSNSの影響もあって写真映えするよう青系や濃い紫色の花の人気が高まっています。理由はさておき、園芸品でも同じような現象が起きているというのは面白い共通点です。

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このように見ていて思うのは、既存施設を改良する際でも新しく都市開発をする際でも必ず緑化が伴うということです。とりわけ環境意識の強いヨーロッパにおいては、開発に緑化が伴うのは定石で、そのPRもまたうまくやっているという印象です。場合によっては倫理的に言い訳をするために緑化している場合もあるかもしれません。(このようなケースを、私は「エシカルエクスキューズ」(=倫理的言い訳、弁明)と呼んでいます)

新興国などで都市部が広がると、少なからず森や自然の部分を人工物に作り変えていくわけですから、都市化の弁明として緑化を施します。それはテニスコート一つ増設するにしても、大規模な都市開発としても同じことでしょう。2050年までに世界の70%は都市部に住むとか・・・と、何かで読みましたが、数字の信憑性はさておき都市開発が活発になることは間違いありません。それに伴い、今後緑化は世界的なニーズとして高まっていくものと思います。

 

それではみなさま、ごきげんよう。

 

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