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広島花きイノベーション推進事業「花活シンポジウム」へ  その②

2014.07.01

 

広島花きイノベーション推進事業参加報告、後編です。

 

花活シンポジウムは、望月先生の特別講演とパネルディスカッションの2部構成でした。

花研は第2部のパネルディスカッションに参加させていただきました。

パネラーの構成は以下の通り。

・花き研 望月先生

・日本園芸福祉普及協会理事長 吉長成恭先生(広島国際大学教授)

花研の銅金前所長と既知の仲なんだそうで、思わぬ偶然がありました。

・広島県花き商業協同組合理事長 宮本正直氏

花満和田社長とともに広島の花きを盛り上げるキーパーソン!

・介護施設ビハーラ病院 園芸福祉士 藤井賢行氏

同         地域医療連携室  末國恵子氏

・大田花き花の生活研究所

そして、進行は中国新聞文化部デスク・木ノ元陽子氏。

 

吉長先生のお話の一部ですが、以下のことが大変興味深く思いました。

「福祉」の意味とは。福祉概論にも通じるのかもしれませんが、例えば文字を分解すると以下の通り。

「福」 ・・・英語でwelfareの意味。日本語ではハレの幸福。

「祉」・・・英語でwell-beingの意味。ケ(日常)の幸福。

「福祉」で人々の幸せの意味。

では「幸」の字は何を意味するかというと、英語でHappiness.

なるほど、福祉とはハレの日もケの日も、全ての人を幸せにする取り組みのことを指すのですね。

 

広島の花活では、この福祉に花を生かしていこうというのがひとつのコンセプト。

ただシンポジウムで少しお話させていただいたことでもあるのですが、今まではこのように福祉や教育などに花を取り入れていきたいと思っても担当制の行政により、オフィシャルに取り組もうとすると、例えば花育であれば文部科学省、公園や道路に植栽をするとなると国土交通省、福祉の面に取り入れていこうと思うと厚生労働省、はたまた、私たち花き流通に関しては農林水産省のように管轄部署が分かれて、なかなか思うように実現することが難しかったように思います。

 

しかし、このたび6月20日に成立した「花き振興に関する法律」により、

第16条「国及び地方公共団体は、公共施設及びまちづくりにおける花きの活用に努めるとともに、社会福祉施設その他花きの人をいやす効用が十便に発揮できる施設における花きの活用の促進に努めるものとする。(以下割愛)」、

第20条にも「政府は、関係行政機関(文部科学省、農林水産省、経済産業省、国土交通省、環境省その他の関係行政機関という。)と相互の調整を行うことにより、花きの活用の総合的、一体的かつ効果的な推進を図るため、花き活用推進会議を設けるものとする。」

などと明確に謳っているのです。

従って、これからは業界の垣根を超えて連携できるようになるでしょうし、お互いの領域の幅が広がるのではないかという旨を、期待を込めてお話させていただきました。

 

上記はパネルディスカッションの一部です。パネルディスカッションで何より印象的だったのは、中国新聞社木ノ元氏の進行の巧さ!

前の人の発言を受けて、感想を盛り込みながらまとめて上手に次の方にパスをする。このスキルには本当に脱帽です。さすが知的産業の方は違うな~と感服いたしました。

 

最後に和田社長より力強い一言。

「今回のシンポジウムは、本事業開始の打ち上げ花火のようなもの。

これから、本番の講習会実施に入っていきます。園芸福祉士の皆様と花き業界、とりわけ花き小売店とがしっかりと連携して、得意分野を活かしながら花きの普及になり、それが社会貢献にもなるよう繋げて参りたいと思います」

 

広島発、花で人を幸せにする。

さすがの取り組みです。しかも、地場に消費と生産と根付かせ、事業として本年ばかりでなく今後継続的に歯車を回していくことができるのです。

国産花きイノベーション推進事業のお手本とも言えるかもしれません。

協議会では、このシンポジウムを皮切りとし、今後園芸福祉士や花き生産農家、生花小売店などと連携し、介護施設や学校などあらゆるシーンで花きを使った取り組みを開催する予定です。

 

私ども花研は甚だ力不足ではありますが、これからも是非、応援・お手伝いをさせていただきたいと思っております。

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