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カシワバアジサイの葉は本当にカシワバ(柏葉)なのか

2025.05.30

こんにちは。みんなの花研ひろばです。

最近は雨の日が増え、空気もどことなく湿っぽくて、梅雨の気配を感じるようになってきましたね。そんな季節になると、ふと目に入るのが道路脇や公園で咲くアジサイたち。丸くて華やかな手まり咲きはもちろん、ガクアジサイやカシワバアジサイも続々と咲き始めています。

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こちらはガクアジサイ。その名の通り、額縁のように花の周りを囲むように装飾花が咲く姿が特徴です。

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そしてこちらはカシワバアジサイは、その名のとおり、葉の形がカシワの葉に似ていることから名付けられたのだろうと容易に想像できます。

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しかし、本当にカシワの葉っぽいでしょうか。

よく見てみますと、んまあ、カシワの葉を間違えるほどではないにしても、確かに手まりアジサイ(Hydrangea macrophylla)の葉よりはカシワの葉に似ていると言えば似ています。サイズも大きめ。

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調べてみると、この名前の由来は、アメリカンレッドオークと呼ばれる北アメリカ原産の「アカガシワ(ブナ科)」の葉に似ているからなのだそうです。

なんと、カシワバアジサイの学名は Hydrangea quercifolia!(ハイドランジア・クエルシフォリア)「アジサイの種類でカシワのような歯」という意味ではありませんか!

querci-は“quercus”(クエルカス)に由来していますが、クエルカスはブナ科のコナラ属(オーク)を意味します。

ちなみに “quercus” という語そのものはラテン語で「美しい木」「良質な木材」という意味があるそうで、ヨーロッパの人々がオークの木に特別な価値を感じていたことがうかがえます。

翻って、市場流通の話。大田市場では今の時期(5月〜7月)、露地栽培のアジサイの出荷が最盛期を迎えます。アジサイの国産品の流通量は全体の約90%にもなり、その他の時期は輸入品と半々くらいの割合です。

そういえば、秋になると紅葉した感じに染められたクエルクス(quercus)のが輸入品として流通することもあります。植物の名前ひとつ取っても、いろいろな国の文化や自然が見えてくるのが面白いものです。

ちなみに、カシワにまつわるちょっとマニアックな話題は過去のブログでも取り上げています。

(長たらしく意味が伝わりにくいブログを書いておりますな~、我ながら💦)

★2023年1月5日 「エンバペのカシワ」

エンバペってこのブログ上では懐かしい感じがしますが、もちろん今でもご活躍で、来シーズンからレアル・マドリードの「10番」としてプレーするかもしれないと。

 

★2022年12月16日「エンバペの花」

エンバペの出身地ボンディの自治体章にはバラとカシワが描かれているって話。

 

アジサイからカシワ、さらには学名の由来まで話が広がってしまいましたが、今回お伝えしたかったのは、「カシワバアジサイ」の名前の由来が、日本語でも学名でも「カシワの葉」にちなんでいるという、ちょっとした驚きのお話でした。

 

最後に、もう一度アジサイに戻ってお知らせです。

来週の月曜日6月2日朝8時11分ころからNHKラジオにて大田市場よりおすすめの花き「アジサイ」をご紹介いたします。放送時間9分くらい、生放送です。よろしければ聴取してみてくださいませ。

 

それではみなさま、良い週末をお過ごしくださいませ。

ごきげんよう。

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