OPERATIONAL PERFORMANCE花研コーヒーブレイク

花を見て地震を予言!?芥川龍之介

2018.07.24

7月24日は芥川龍之介の命日。生前、好んで河童の絵を描き、「河童」という小説も遺していることから、今日は「河童忌」とも言われます。

youkai_kappa

 

その芥川龍之介は、藤の花を見て地震を予知していたという記録が残っているのだとか。

1923年の8月、藤が季節外れに咲いているのを見て(本来の開花期は5月頃)、

 

「どうもこれは唯事ではない。自然に発狂の気味のあるのは疑ひ難い事実である。僕は爾来(じらい;それ以来)人の顔さへ見れば天変地異が起こりさうだと云つた」

 

と手記に記しています。

fuji

関東大震災が起きたのは9月1日。芥川が藤の花を見たタイミングから間もない頃だったため、震災を予知したと捉える向きもあるようですが、そうとばかりも言えないようです。

植物学者の田中修氏によると、

「藤には『二度咲き』といって、数年に1度、夏にも花をつける習性があります。

塩害によっても季節外れに花が咲くことがありますし、早咲きや遅咲きは気候の変化によるものでしょう」

と、藤の狂い咲きと地震との関連を否定しています。芥川の予言はたまたま当ったわけですが、科学的根拠はありませんでした。

 

今年のように災害や大きな気候変動があると、私たちは不安を感じ、つい迷信じみたことを信じてしまいがちになりますが、あらゆることが科学的見地から明らかになっている今となっては、いかなるときも一寸冷静になって科学的な見地を忘れずに物事を見据えたいものですね。

pagetop