OPERATIONAL PERFORMANCE花研コーヒーブレイク

10円玉は「どうか」問題

2023.07.05

こんにちは。みんなの花研ひろばです。

連日の気温の高さで、切花の日持ちに日々気を揉んでいらっしゃる方も多いこととお察しいたします。もちろんそーゆーアタクシもその一人。水、腐るの早いですね、昨今。昨日放送されたNHK総合のあさイチでも、ドクトル薄木さんが夏場の日持ちのコツを伝授してくれていましたね。スタジオにカメラが戻ったときにゲストさんからぽろっと・・・

「10円玉を花瓶に入れるといいとかいうけど、本当は何が一番いいのか・・・」

とコメントが。ほんとすみません。私ども花き業界の正しい知識を広める努力が足りていないと猛省することしきり。日常で花を飾ってより良い時間を過ごしてほしいと願いつつ、切花の日持ちについての正しい方法の普及がまだまだ至らずとは、「売りっぱかいなー!」と突っ込まれても何も言えませんよ、ええ。さーせん。

 

さて、日常生活周辺にあるもので、アレ使ったらいいとかコレが効果があるとか耳にされたことがあると思いますが、今日は昨日の番組で言及された「10円玉はどうか」について。そもそも、その真偽はさておき、なぜ10円玉が切花の日持ちに効果ありと言われるようになったかというと、10円玉の銅イオンが溶けて水の腐敗を防ぐのではないか説からのようです。水の酸素と反応して出るという微量の銅イオンを期待してのことのようですが、水に入れておくとそんなに銅イオンて溶け出すのでしょうか。

 

神社や温泉地とかにいくと、さすがに何年(何十年?)も前に投げ入れられた10円玉が若干変形したものを見かけることがありますが、水道水を使った自宅の花瓶に10円玉を入れて、溶けた感でるまで果たしてどれほどの時間がかかるでしょうか。ヒト1人の人生くらいの時間では足りないかもしれません。日本の銅貨はそんなに不安定なものではないと思いますが、いかがでしょうか。

 

はい、科学的なことは専門家に譲るとして、少なくともこの暑さで進行する水の腐敗をとめるに足るほどの銅イオンが10円玉から流れ出すことはほぼほぼ期待できないでしょう。

じゃあ10円玉、いっぱい入れとく?

なんなら花瓶で10円玉貯金する?

いや、どうよ、それ。

丸見えだし。

重いし。

水交換するの大変だし。

 

 

ていうか、日持ちには意味ないのよ、10円玉を何枚入れといてもね。

 

10円玉は銅貨ではありますが、切花の延命に効果があるかどうかといいますと期待できないといっていいと思います。それより貴重な金銭である10円を花瓶に入れておくのはどうかと思いますが、いかがでしょうか。個人的にはなかなか心苦しい景色ですよ。もうほんと、お金はお金として大切に扱った方がいいと思っております。庶民のアタクシがお金を大切にしましょうと言っても全く説得力ないと思いますので、これはひとつお金持ちの方から言ってもらいましょうかね。

 

それではみなさま、ごきげんよう。

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