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「どんど焼き」から考える地域文化の継承

2026.02.25

こんにちは、ゲストブロガーのプロテアです。

 

ついこの間、年が明けたと思ったのにもう1月と2月が終わってしまい、1年の6分の1が過ぎたのだから驚きです。この2か月、正月の緩い雰囲気を引きずったまま、あまり精力的に動けていなかったこともあり、何とも言えない焦燥感を覚えています。

そんなふうに休日を過ごしていた1月半ば、栃木の実家にいる両親から「どんど焼きに行って、正月飾りを焼いてきたよ」と連絡がありました。

「どんど焼き」。久しく耳にしていなかった言葉に、少し懐かしさを覚えました。そういえば、正月飾りを燃やす火を囲み、キャンプファイヤーのような雰囲気の中で団子を焼いて食べた記憶があります。焼いたお団子がおいしかったことと、お団子がほしくて待ちくたびれていたことだけはよく覚えているのは、相当な食いしん坊だったのでしょうか。

 

このどんど焼き、どんな行事かというと、「とちぎの慣習・ことば集」という資料で以下のように説明されています。

「竹、もみの木、わらなどで仮小屋を作り、子供たちが1月14日に各家庭を回って集めた正月の松飾りなどをその日の夜か1月15日に燃やす行事です。松飾りと一緒に『まゆだま』呼ばれる団子をもらい、これをその火であぶって食べます。この団子を食べるとかぜをひかないといわれています。」

また、どんど焼きの行われる1月15日は小正月と呼ばれ、悪疫・厄神の侵入を防ぎ、五穀豊穣を祈るなど様々な目的で全国的に行事が行われているそうで、どんど焼きも「どんどん焼き」、「左義長(さぎちょう)」など、地域によってさまざまな呼び方があります。ちなみに、栃木では「どんどん焼き」が主流のようで、同じ栃木県内でも幼いころから「どんど焼き」で慣れ親しんでいた私としては、別名があることに少し驚きました。

 

このように全国で行われているどんど焼きですが、近年は実施できない地域も増えているようです。林野火災警報や消防法の運用強化など、安全面の観点から直前で中止になるケースもあるといいます。

 

【参考記事】

「祭り当日に“やってはいけない”と言われた」……消防法の運用強化で直前中止も 地域神社が直面する現実-Yahooニュース

 

加えて、地域行事全体に共通する課題として、担い手不足の問題もあります。若い世代の人口減少や都市部への流出により、人手が足りず開催が難しくなっている地域も少なくありません。仮に開催できたとしても、かつてのような活気を維持することは簡単ではないのが現状でしょう。

どんど焼きに限らず、安全確保や人員確保といったハードルの高まりによって、継続が難しくなっている地域行事は、きっと全国に数多くあるはずです。

 

しかし、そうした行事の一つひとつには、長い年月の中で受け継がれてきた意味や、人と人をつなぐ力があります。火を囲み、同じ時間を共有する体験は、効率や便利さとは別の価値を私たちに思い出させてくれるものです。

忙しい日常の中でも、こうした地域の営みに少しだけ目を向け、季節の移ろいを実感し、足元の文化を見つめ直すきっかけになるのかもしれません。地域文化を見直すことは、私たちの仕事の原点を考えることにもつながります。季節や行事とともに歩んできた日本の暮らしに目を向けながら、焦燥感に背中を押されるばかりではなく、ときには立ち止まり、地域に息づく時間に身を置いて、日常では得られない貴重な経験を積んでいきたい。そんなことを改めて感じました。

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【参考資料】

とちぎの慣習・ことば集のページ(栃木県のHP内)

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