OPERATIONAL PERFORMANCE花研コーヒーブレイク

冬に出会った幻の“箱根バラ”から考える「地域植物の未来」

2026.02.17

みなさんこんにちは。ゲストブロガーのウィステリアです。

 

私事ですが、先日数日間の休暇を頂き、神奈川県箱根町へ旅行に出かけました。

山々に囲まれた箱根湯本で温泉に浸かり、登山鉄道やロープウェイを経由して標高約1,000mの大涌谷※にも登りました。

新緑や紅葉のシーズンも過ぎ去り木々の葉が落ちてしまった2月に訪れましたが、それでも旅館や登山鉄道の列車から見るマウンテンビューは素晴らしく壮大でした。

 

※大涌谷(おおわくだに):箱根にある約3,000年前の箱根火山の爆裂火口跡で、白い噴煙と硫黄の香りが立ち込める活火山(噴気地帯)です。 大涌谷の熱湯で茹でた黒たまごが有名で、1つ食べると寿命が7年延びると言われています。

 

そんな箱根観光で、旅館の物販コーナーでもお土産屋さんでも多々ピックアップされているのを見かけたのが、「箱根バラ」をモチーフにした製品です。

「箱根バラ」とはどんなバラかと思い、調べてみると、標高500m以上の富士・箱根の地に自生する希少な日本原産のバラでした。正式名を「サンショウバラ(山椒薔薇)」といい、箱根町の花にも指定されています。葉の形が山椒の葉にそっくりであることが和名の由来のようです。また、バラの仲間では珍しく、幹が太くなる落葉小木で、高さ5~6mにもなるため、バラ属では最も大きい種とされているようです。

 

 

開花時期ではなかったため、花を撮影することはできなかったのですが、サンショウバラが紹介されているサイトを見つけましたので、よろしければこちらでサンショウバラの花姿をご確認ください。

 サンショウバラは箱根町の誇り、淡いピンクの花よ永遠に輝け! | 箱根仙石原へいらっしゃい

 

 

そんな「箱根バラ」ですが、実は環境省のレッドデータでは絶滅のおそれがある日本の野生生物に指定されています。理由は、生育地が限定的であることや、観光開発の影響があるのではないかと言われているようです。大田花きでも、以前は鉢物として流通していましたが、2019年の出荷を最後に、以降は出荷がないようです。

 

 

特徴のある土地柄に由来して自生する植物だからこそ、生育していくのも難しいのかもしれません。しかし、今回の旅行をきっかけにすっかり箱根バラのファンとなってしまった身としてはとても悲しいことです。(箱根バラの成分入り&箱根バラの香りのハンドクリームやフェイスパックなどしっかり購入しました。)

 

箱根バラの開花時期である6月に訪れる機会がありましたら、守られるべき貴重な存在として、その姿をしっかりと目に焼き付けておきたいと思います

 

翻って、その土地固有の植物があるのなら、筆者の地元にも固有の植物があるのだろうかと思い、調べてみました。筆者の地元は、(中学校の先生に教えていただいた話では)元々は水辺の土地に草を加えていって作った土地なのだそうで、そのためか川原の湿った草原などに生える「ノウルシ」が固有の植物とされています。

 

残念ながら、こちらも環境省のレッドデータでは準絶滅危惧種に指定されているようです。しかしながら、自身の生まれ育った町の地形的特徴や、それに関連して自生する植物等を調べてみるのもなかなか無い機会で学びになります。読者の皆さんのゆかりのある土地についてもぜひ調べてみてほしいと思います。

 

また、その土地の風土が育む植物の魅力を、私たちも花き業界の一員として大切にし、発信していきたいと思います。

 

最後に、箱根バラの開花時期は6月であるため実物を拝見することはできませんでしたが、代わりに箱根の美しい山々をお見せして締めくくらせていただこうと思います。 

 

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それでは皆様、ごきげんよう。

 

 

【参考資料(サイト)】

・株式会社小田急箱根(2019).「箱根のバラがきれいな観光スポット4選」.箱根ナビ

・箱根仙石原へいらっしゃい(2023).「サンショウバラは箱根町の誇り、淡いピンクの花よ永遠に輝け!」.仙石原の花たちよ

・日本植物分類学会.2025.サンショウバラ.環境省(編) 第5次レッドデータブック;絶滅のおそれのある日本の野生生物.VP2017_RDB5th.pdf

・草加市役所(2023).「希少植物ノウルシを見に行きませんか」.草加を楽しむ

 

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