花研コーヒーブレイク
覚えておきたい夏場の切花管理のポイント
2025.07.30
こんにちは。みんなの花研ひろばです。
今の時期、生花店さんも生活者のみなさまも、切花の管理にはいつも以上に心を砕いていらっしゃることとお察し申し上げます。
暑さに強い花だから大丈夫と思って飾っても、帰宅時に再会するとあれまーと、驚くほどその姿が変わっている花もあります。12時間くらいで刃先が茶色くなったり、花首がうなだれたり。品目によってはもはや水揚げをしても手遅れで、残念な思いをすることもあります。自宅用に飾った花ならまだやむを得ずと諦めがつきますが、展示会だったり仕事で納めた装飾用だったりすると、これまた自分だけの問題にとどまらないので、事態は深刻。こうなる前に対処することが必要です。
さて、一般論としてこの時期に切り花を飾るとき、飾る場所、管理する場所もポイントになってきます。できるだけ室内でも人が通るところとか空気が動く場所を選ぶということです。周りの空気が動かないことが切り花の寿命に直結してきます。エアコンが効いている場所であれば問題なしですが、エアコンOFFで人もいなく、空気が動かない場所では、花が病気になりやすいし、水の中のバクテリアも繁殖しやすくなってしまいます。観葉植物などであれば虫が付きやすくなります。
植物が新しい水を吸い上げるためには、体内の水分を蒸散する必要があります。体内の水を蒸散し、またきれいで新しい水を吸うことによって、体内の水を循環させ長く元気でいられます。しかし、空気が動かないと蒸散が促されないので、新しい水を吸わなくなってしまいます。古い水がいつまでも植物体内に滞留することになりますし、そのことが花の寿命を短くする一因となってしまうのです。
従いまして、飾る場所も考慮しましょう。夏休みなどで数日間おうちを空けるときは、本当に空気が動かなくなりますから、切り花にとってもよい環境とは言えなくなります。冬場は心配する必要のないことが、夏場は大きく日持ちに影響してきてしまうのです。
もちろんエアコンの風が直撃するのはよくありませんが、できれば人の動きがあるところや、そよとした風が当たるくらいのところの方がいいでしょう。
展示会などの設営後や店舗の営業終了後は、その施設自体のエアコンがOFFになって、どうにもコントロールできない場合もあるかもしれません。その場合、できればですが、植物回りの空気が動くようにサーキュレーターや扇風機を回しておくといいでしょう。
早く傷んでしまった花は、速やかに処分しましょう。枯れてしまった花からはエチレンという老化ホルモンが出ている可能性があり、そのホルモンが健康な花きに影響を与えてしまうかもしれません。また、傷みの原因となった病菌やカビが付着している場合もあります。
そして、店舗や展示会場から撤収する際は、ゴミ箱の蓋を閉めておくといいでしょう。蓋が開けっ放しだと、ゴミの中の菌やカビなどが空気中に浮遊して、健康な花きに付着してしまう可能性があります。
ドライにしようと思っている花材は、できれば早めに水から引きあげるようにするといいかもしれません。長い間水に生けておくと、花瓶の口付近に蒸気が滞留して、茎にカビが付きやすくなります。
機会があれば多少空気が動かなくても尚、強い花を紹介するようにしていますが、空気が動いた方がいいのは、花の管理の上で重要なポイントとなるでしょう。私たちヒトにとっても、同じ気温下でも風が動かなくて蒸し暑いところよりは、少し風があった方がまだいいかなと思いますよね。こういうこと同じかもしれません。
そんなことあんなことをエフエム横浜の「NITTENハナラボ」コーナーや先日のNHK首都圏らじおなどでご紹介しております。
7月28日NHK首都圏ラジオ生放送にて出演させていただいた様子が番組Xから発信されました。ご報告まで。
【首都圏らじお】
首都圏ライフハックは
夏の草花の楽しみ方についてお届け新しい菊の品種もつぎつぎに登場! ホオズキの楽しみ方も!!
お便りもお待ちしています!
テーマは「夏の楽しみ」です#首都圏らじお をつけて
投稿してください!! pic.twitter.com/x1bIBVbepB— NHK@首都圏 (@nhk_shutoken) July 28, 2025
スタジオからの生放送はこんな感じでした。
【首都圏らじお】 きょうは こちらのメンバーでお伝えします ラジオブースは花のいい香りも お便りのテーマ「夏の楽しみ」です#水の事故#夏の花のアレンジ の質問もどうぞ #首都圏らじおpic.twitter.com/zfMscTcsDt — NHK@首都圏 (@nhk_shutoken) July 28, 2025
それではみなさま、ごきげんよう。