花研コーヒーブレイク
サラリーマン観察で見えてきた巨大マーケットの変化
2025.07.17
観察の対象は、主にサラリーマンの服装や持ち物。というのも、「サラリーマン」という存在は、私たちにとって見逃せない巨大な需要層だからです。
日本には20歳代から75歳ぐらいまでの男性が約4,800万人。そのうち、会社勤めの方は半分弱・・・とAIが推計。つまり、およそ2,200万人がリーマンということです。仮にその半分が首都圏勤務だとすると、それだけで1,000万人以上の潜在市場が存在していることになります。このマーケットは大きい。
この層の共通したニーズを捉えることができれば、何の業界にしても大きな可能性が広がります。もちろん花き業界にとってもそのような巨大な層の変化を知り、なんらかアプローチできるものであれば理想的な話です。そんな思いから、電車の中で「今のサラリーマン」の姿をウォッチし、時代の変化を掴むヒントや特借を得たいと思いました。本当は、移動中ちょっと暇だっただけなのですが。
まサラリーマンには欠かせないのがリュックもしくは手提げかばんです。サラリーマンにとって欠かせないアイテムですが、今や「手提げ」よりも「リュック」が圧倒的に多く見られます。何日かにわたり、車内でこっそり数えてみました(対象は20歳以上の男性に限定)。結果は、おおよそ リュック:手提げ=7:3。実態として、リュックがスタンダードになっていると言っていいでしょう。
旅行用キャリーケースの需要増や、アニメ・マンガとのコラボ商品が牽引役となっているようです。マーケティング、うまいですね。個人的にも思い当たる節があります。年齢を重ねるごとに、カバンの種類ってどんどん増えませんか。会社用、普段使い小物入れ、図書館用、水泳用、バドミントン用、街歩きリュック、旅行鞄3種ぐらい。忘れないように用途別に分けるようになった結果、知らず知らずカバンが増えていく。これも市場拡大の一因かもしれません。
次に観察したのは靴です。特に「いかにもビジネスシューズ」という革靴の着用率を見てみました。
こちらは時間帯によってやや差があり、早朝は革靴が7割近くを占めていたのに、昼過ぎや夕方には5割前後に。スラックスにワイシャツでも、足元は黒や白のスニーカーという人が意外と多いのです。この傾向についても、矢野経済研究所さんの「紳士靴市場」のレポートが参考になります。さすが矢野経さん!こちらです。矢野さんのレポートでは革靴というのが紳士靴というカテゴリーになっています。
コロナ禍でいったん縮小した紳士靴市場は徐々に回復傾向にあるものの、スニーカーなどのスポーツシューズの伸びが上回っているとのこと。服装の「足元からのカジュアル化」が着実に進んでいるのですね。
★外見の変化は、時代の変化!?
ほんの数年前まで「サラリーマンといえば手提げ&革靴」だったはずが、今ではリュックにスニーカーが主流に。以前は見なかったことや目新しいことも、いつのまにやら普通の景色ということがあります。こうした変化は、私たちが想像する以上のスピードで進んでいます。そしてこうしたヒントは、意外と日常の中に転がっているものです。たとえば電車の中とかであるように。
こうした「変化」に敏感であることも、時代を捉える上で欠かせません。花き業界としても、こうした巨大な生活者層にどのようにアプローチできるか、可能性を模索していきたいものです。