花研コーヒーブレイク
花と「歯」と恐竜の交差点
2025.07.04
こんにちは。みんなの花研ひろばです。
昨日の小欄に投稿してくれたのは、ゲストブロガーのプラティコドンさん。ご本人がこの名前を選びました。
プラティコドンとは、恐竜の名前・・・ではなく、日本自生種であるキキョウ属の学名です。どちらかといえば、というより圧倒的に、プラティコドンさんは恐竜というより楚々としたキキョウを思わせる雰囲気の持ち主です。
さて、「プラティコドン」という語感がなぜ恐竜っぽく聞こえるのかといえば、恐らく恐竜のプテラノドンと似ているからでしょう。プテラノドン(Pteranodon)は翼竜の一種で、その名は「歯のない翼」の意味に由来します。鋭く長いくちばしを持っていますが、歯がありません。映画『ジュラシック・ワールド』で檻から脱出し、上空から観光客を片っ端から襲い、恐怖と大混乱を巻き起こしたあの翼竜です。まさに「空を飛ぶ凶器」が引き起こす「パニックの狂気」のシーンですが、プテラノドンが現代社会では考えられない恐怖絵巻を描いています。
一方、プラティコドン(Platycodon)の言葉の成り立ちは何かというと、ギリシャ語のplatys(広い)+ codon(鐘)なのだそうです。平和な響きだー。・・・にしても、「-コドン」という響きがどうしてもキキョウの姿と釣り合いませんが、ギリシャ語由来となればそこはやむを得ず。「鐘」という意味だったと聞けば納得です。
では恐竜の「-ドン」は何かというと、ギリシャ語で「歯」を意味すオドント(odont)に由来するのだそうです。プテラノドン、イグアノドン・・・それぞれ歯があるとかないとか、特徴的だという意味に由来しているようです。
ん??オドント??
花業界でオドントといえば、・・・あの花を多くの方がきっと思い浮かべるでしょう。
そう!
「オドントグロッサム」です。
オドントグロッサム(Odontoglossum)というランがあります。
きっと恐竜のプテラノドンの由来と関係があるに違いないと踏み、調べてみると案の定、関係ありでした。オドントグロッサムの学名は、ギリシャ語のodon(歯)+glossa(舌)に由来しているのだとか。唇弁(リップ)の基部にある歯のような形状に因んでいるのだそうです。プラティコドンよりオドント・グロッサムのほうが、むしろ恐竜のプテラノドンと接点があったというわけです。
オドントグロッサムは、鉢物では“ほとんど”流通していないようですが、切花で流通しています。今度見たら、プテラノドンを思い出してしまいそうです。
それではみなさま、ごきげんよう。