花研コーヒーブレイク
恐るべしキクの回復力
2024.11.06
こんにちは。みんなの花研ひろばです。
花研のHP内「業界の基礎データ」を更新いたしました。
ついでに花研講演実績も更新いたしました。よろしければ、併せてご覧くださいませ。
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さてさて、11月6日いいマムの日にちなんで、といっても実はたまたまなのですが、今日は恐るべしキクの回復力のお話。
先週の水曜日、だれが置いたのかアタクシの隣の空席のデスクに、白いキクがぽつんと置いてありました。そのすぐ隣に給水フォームがセットされていたので、誰かが何かをしようとしているのだろうと、そのキクは水に生けてありませんでしたが特に言及せずにいました。
翌日木曜日の朝、会社に来てみると、机に横たわったそのキクは変わらずそのままでした。すぐ横でキクの染色実験をしている様子があったので、きっとこれも水をあえて切って染めるのかなと思い、これまた言及せずにいました。
その翌日の金曜日の朝もキクはそのままでした。
やはり染めるための準備か、生け花ではあえて矯めるためにキクの水を抜いたりしますので、誰かが何かの準備のために水をあえて切っているのかと言及せずにいました。帰るときも気にはなりましたが、翌日の土曜日にキクを使った仕事に出かける者が社内にいましたので、そのための準備なのかと、これまたあえて触れずにおりました。
この時点で水曜日から金曜日まてそのキクは水もなく机の上に横たわったまま。しかしまあ元気にふっくらと花を開いています。金曜日の夜、キクはそのまま机の上に置いて、週末の業務をwrap upすることにしました。
週明けが明け、昨日4日月曜日に出社してみますと、何とまだ机の上にキクが横たわっているではありませんか!しかも、金曜日に最後に見た時はふっくらとした花を咲かせていたのに、月曜日の朝にはこんな風に姿を変えていました。
うんわー、ペタンコ。
週末の業務で使うんちゃうかったのか??なんで週明けもまだ机の上にあるん??と思い周囲の人に聞いてみると、どうやら置き忘れだったようです。
どっちを下にして寝ていたかわかるくらいに反面が直線的に。ふっくらとしていたあの花の姿はどこへやら。
これだけ見たら、いったい本当に花なのかと思うほど。じっと見つけていたらガバッと左右に開いて、顔から食べられてしまうかも的な妄想さえ引き起こされます。
置き忘れが判明した時点で、急いで深水で水揚げをしました。
すると、推定5日放置されていたはずなのにも関わらず、驚異の回復力で丸く花弁を開き始めました。
2時間後こんな感じ。恐るべし、キクちゃん。
2時間でここまで回復したと思ったら、5日の朝、さらにふっくらと完璧なまでに花弁が展開。
あのペタンコに力を失ったキクとは別個体かと思わせるほどの回復力です。
そこで調子に乗って、切り花栄養剤をたっぷり入れて、もう一度水揚げ。
するとこれですよ。
写真ではパッと見あまり変わらないかも。
輪径約13cm。
月曜日の朝これ↓だったのが
コレ↓ですからね、これだけ回復力があれば、それは白ギクに限らず、あちこちでキクが多用されるわけですわ。やはりキクはいい花ですの!
いいね、マムの日!
どの状態で水分補給をすれば無傷で元に戻れるのかわかりませんが、一般的に植物は10%水を失っても、可逆的で元に戻るのだそうです。ペタンコキクが何パーセント脱水したか、測っておけばよかったと反省しておりますが、いずれにしてもこの回復力たるや、すさまじきかな。
ちなみに人の場合、あるサイトによるとですが、脱水すると以下の症状を引き起こすそうです。
2%失うと激しい不快感
6%失うとよろめき、頭痛
10%失うと筋肉痙攣、循環不全
20%失うときわめて瀕死の状態
脱水症状にくれぐれもお気をつけて。
それではみなさま、ぜひいいマムの日をお迎えくださいませ。ごきげんよう。
フラワービジネスノートにも「いいマムの日」の記載があります。