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田島ヶ原でつかまえて ~シダ探しで見つけたものは?~

2022.05.26

こんにちは。みんなの花研ひろばです。

実は先週末、あるシダを探しにさいたま市の田島ケ原に行きました。

田島ヶ原といえば、サクラソウ自生地としては名高い場所。サクラソウ自生地として国の指定特別天然記念物になっています。ここはサクラソウばかりではなく、ノウルシやチョウジソウなどの希少な植物も生育しています。(詳細はこちら:さいたま市文化財紹介/田島ヶ原)

 

話のきっかけは「日本シダの会」の会報誌です。幽霊会員なのですが、届いた最新会報誌をぱらぱらとめくっていて、ハナヤスリ科という分類のシダがあることを知りました。変わった分類名ですよね。花にあたる部分の形が棒やすりのような形です。がま穂ともまた違うのですが、見た目は穂のようなものです。全体としては、一枚の葉っぱに棒やすりのような穂を持つ茎が一本するすると伸びるシンプルな形をしています。こりゃあオモロイと思って自生地を探すと、利根川、荒川あたりに生えると。そこで観察されたという報告が多数あります。そこで荒川沿いの田島ヶ原のサクラソウ自生地に行ってみました。

 

田島ヶ原に行ってみますと、写真のようにアシが生い茂ってしまいまして、ハヤナスリ科と思しきシダはまったく見当たらりません。どうやら夏には地上部が枯る性質があるらしいのです。3月くらいまでに行かないといけなかったみたいです。これは来年、再チャレですね。

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代わりにトダスゲという自生する固有種のスゲを見ることができました。スゲといえばカヤツリクサ科スゲ属の植物を指し、世界では約2000種が確認されていて、植物の中ではもっとも大きなグループを構成しているのだとか。スゲエなぁ、スゲもよお・・・。 日本にも約270種が分布しているそうです。トダスゲもそのうちの一つ。なんと命名は牧野博士。スゲのような自然を表現しやすい草花が人気な昨今ですが、この地にさわさわとした固有種があるというのは興味深いですね。

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但し、田島ヶ原は特別天然記念物ですから、ここからなにかを持ち出すことはできません。撮影だけお許しいただくことにしましょう。パチリ。

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日々植物のことを調べていても、シダないことがたくさんあるなあ。

Catcher in the ryeならぬCatcher in the Sedge(スゲ)な気分のおでかけでした。

それではみなさま、ごきげんよう。

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