OPERATIONAL PERFORMANCE花研コーヒーブレイク

スウェーデンの花事情

2011.08.08

北欧ネタついでに、スウェーデンで見た花を少し紹介しよう。(今回は営利生産され流通に載っている花をご紹介。野草はまた後ほど)

 

訪れたのは北極圏に程近いスウェーデンでも北方にあるブーデン(Boden)市街のお花屋さん。この街の中心部には、花屋さんはこのお店1軒しか見当たらなかった。

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日本の約1.2倍の国土面積に人口900万人(←9,000万ではなく900万。読者さんの目の錯覚ではない。つまり東京都より少ない。日本より面積が大きい国に東京都より少ない人口が居住している。日本は1.3億人だからまさに桁違い)のスウェーデンは、スペースに対する感覚も少し異なるのか、店内のフロアでも冷蔵庫でも商品と商品との間隔が違うような気がする。

 

感覚が違うだけに、間隔も違う・・・

 

あ、失礼。

 

このようなデザインは異国の雰囲気を感じる。

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切花用にはあまり品種改良されていないと思われるビオラだが、かわいらしくアクセントに用いた素敵なブーケも。

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レジ前にかわいらしく挿して吊るされていたカスミソウ。中年のご婦人が一人で店番をするとりわけおしゃれというわけでもないごくスタンダードな小売店だが、北欧独特のセンスが光る・・・のか、それとも北欧マジックで何でもよく見えてしまうのか。

 

カスミソウの輪(りん)は日本で流通しているカスミソウの何分の1かでとても小さなものだったが、素材を良く生かしていて、とても愛らしく思える。

 

こちらは定員さんのxxxさん。

(すみません、お名前を伺ったのですが、メモしなかったので忘れましたm(_ _)m)

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素敵なお召し物で、瞳の色にも近いターコイズブルーがブロンドヘアとよくお似合いです♪

 お話を伺ってみるとヨーロッパでほとんどの花屋さんがそうであるように、インターフローラに加盟し、仕入れはオーダーするとお店まで届けてくれるとのこと。この規模のお店ではそれで十分なのでしょう。客単価は3,000円くらい。

 

 

こちらはストックホルムのアーランダ空港で見つけたブーケ。

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「青い花」への憧れが強いのか、キクまで真っ青に染められている。オランダ産だろう。バラも日本よりは少し咲いている。

 

最後にカスミソウ。鉢の園芸品種。鉢からこぼれんばかりに咲いていた。

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ココまで赤く色づいたカスミソウを初めて見た。ヨーロッパでは品種改良されているのかもしれないが、カスミソウは寒いところでは赤い色が載りやすいらしいから、品種特性に加え管理環境があるのかもしれない。

 

 

今度は花の消費者に聞いてみた。(57歳、男性)

自身では“花を買う方ではないが、恐らくスウェーデンの中でも平均的な消費者になるのではないか”としながら・・・1年に4-6回花を買う。そのほか仕事でお客様に花を買うこともある。
1回の購入で30-50ユーロかける。(スウェーデンの通貨はスウェーデンクローナ)

 

誕生日や結婚式、宗教儀礼、パーティに行く時、誰かにお呼ばれしたとき、記念日を祝うときなどに切り花を使い、鉢物は夏にガーデン用としてよく買う。

雪に覆われた時間が長いスウェーデンでは、ご自慢の庭で短い夏にガーデニングを楽しむ。短い夏をあきらめるのではなく、存分に楽しむのはヨーロッパ流といったところか。

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温室を持っている人も少なくない。(同じ温室でも、ホンモノのサウナだったりするご家庭もあるが)

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人気の切り花はバラ、チューリップ、様々な種類のランなど。

1回30ユーロで年5回購入とすると150ユーロだから、今は円高につき1ユーロ111円として16,650円、120円とすると18,000円(切り花年間購入金額)。

日本は世帯主50-59歳の場合、1世帯当たりの切り花購入金額は約12,000円、20歳代から70歳代までの平均値をとっても11,000円くらい。お一人にしか伺っていないし、その職種から年収は比較的高い方かもしれない。どのくらいこの数字が参考になるかはさておき、純粋に比べればスウェーデンの世帯の方が切り花にかける金額は高い計算になる。

 

一人当たりのGDP(2010年)はスウェーデンはおよそ49,000ドルで世界第8位、一方日本は43,000ドルで世界第16位。約6,000ドルの差があり、花にかけている金額も5,000-7,000の差がある。この差は一人当たりのGDPによるものと結論付ければ簡単だが、少し考えにくいような気がする。ノルウェーとスウェーデンも35,000ドルくらいあるので、6,000ドルがそう大きな差とは思えない。調べてみると実際2007年の日本は34,000ドルで2010年には7,000ドル増えていることになる。しかし、GDPの成長が所得に反映されていないことが理由だろうが、1世帯当たりの花の消費は減少している。やはり日本ではもう少し一世帯当たりの切り花消費額を伸ばす余地があるということかもしれない。

 

以前小欄で国民一人当たりのGDPに対する花の消費額を考えたことがあったが、これによると日本のGDPに対する切花消費額は決して低い方ではない。

但し、このときの切花消費データは、1人当たりであり1世帯当たりではないことに注意したい。どのように調査しているかにもよるが自分で「一人当たりの消費額」となると自分で購入していない葬儀などの花も含まれる可能性があるからだ。

 

 

 

 

 

 

もうひとつだけスウェーデンで見つけたハナ。

 

 

 

 

 

同じ「ハナ」でもこちらは犬のハナ。

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失礼しましたm(__)m

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