花研コーヒーブレイク
フォッサマグナと蓮の地平線をめぐる夏休み
2025.08.19
花研の一研究員です。
いただいたお盆休みは何をして過ごそうか・・・と思案した結果、フォッサマグナを見に行くことにしました。
フォッサマグナとは、ラテン語で「大きな溝」を意味し、日本列島の中央部にあり西と東とを分断する地溝帯を指します。ドイツ人地質学者のナウマン博士によって発見され、世界にただ一つしかない特異、且つ、地質学的に重要な場所とされています。
日本列島を東西に分断するのですから、ハマッたら足をくじく程度の単なる「溝」ではなく、ほとんど「谷底」と言わんばかりのサイズ感です。この溝を発見したのは、ドイツ人地質学者で、ナウマンゾウの化石を研究したエドモンド・ナウマン博士です。
ナウマン博士は明治政府の招聘で日本に来たそうですが、日本列島の成り立ちを解明する世紀の大発見をするのです。私もその大地溝帯を見たくてはるばると糸魚川へ出かけました。
まずはフォッサマグナミュージアムで日本列島の成り立ちなどを勉強し、ついでに化石の発掘体験などで肩ならし。周囲の児童らが石ころから次々と化石を発見するのですが、老眼著しいおじさんにとってはどれが化石なのかがさっぱりわからず・・・。
それはそれとして、そもそもの旅の目的地であるフォッサマグナへ向かいます。国道沿いの川を歩いて上流にさかのぼること数百メーター、巨大な溝に到達します。
↑写真の右半分が東北日本、左半分が西南日本というわけで、真ん中を走る「糸魚川-静岡構造線」が、日本列島を東北日本と西南日本に分ける断層というわけです。
いやー日本は火山の国だねー!などとにわか地質学者になった気分です。
さてさて東京からここまでは400kmぐらいです。ずいぶんな距離なものですから日帰りもできなくはないのですが、草臥れますので付近で泊まることにしました。あいにく夏の観光シーズンにつき、すぐに見つからず、宿泊先探しで漂流しまして上越市高田まで行くことになりました。
上越といえば、上杉謙信くらいしか思い浮かびませんので、せっかくですから地域を知るために観光をすることにしました。
夕方、ホテルについて街をぶらついていたら、市内にある高田城のお堀に蓮畑があるとのことがわかりました。
翌日、早朝散歩がてらハスを見学に行きました。蓮の開花を見るなら早朝に限ります。
すると想像以上に圧巻の蓮畑が眼前に広がっているではありませんか。ハスの地平線という感じです。休暇ではすっかり花から離れていたつもりですがやっぱり花に巡り合うというのも面白いものです。
ハスの根はご存知の通りレンコン(蓮根)として馴染みがありますが、このお城でもそもそもは食糧としてハスを栽培したのが始まりだったようです。しかし、その花も紅白が入り混じり大変キレイな蓮池を形成し、「大賀蓮(オオガハス)」の名前の由来となった植物学者大賀一郎博士によって「東洋一」と称賛されたそうです。
うなずけます。
改めて植物の面白さ、ストーリーに触れてリフレッシュできましたよ。
それではみなさま、ごきげんよう。