OPERATIONAL PERFORMANCE花研コーヒーブレイク

2020年東京五輪に向けて 【前編】

2013.09.11

 

前回に引き続き、五輪の東京招致成功おめでとうから。

日曜日の朝起きた途端に、五輪の東京招致が決定のニュースが日本列島を駆け巡っていました。

 

発表は、日本時間で8日日曜日の午前5時くらいだったので、当日の新聞記事には間に合わず、翌日は休刊日だったため、結局号外は出ましたが、一般的には10日の新聞が決定後初の発行になるので、どの紙面でも五輪の話で持ちきりという印象でした。

 

経済効果がざっと3兆円を見込まれていますから、花産業としてもこのオリンピック景気に載らない手はないと、動き出している産地さんもありますね。行動が早いのはさすがです。

 

さて、ここで過去のオリンピックにおけるビクトリーブーケに使われた花材を見てみましょう。

記憶に新しいところで2012年ロンドンオリンピック。

ご存知ジェーン・パッカーさん(法人格としての)がデザインされたものです。

国産のバラにムギ、ラベンダー、ローズマリー、アップルミントなどのハーブ類。

英国では商業用に切バラを栽培していなかったため、開催が決まってからバラをオリンピック用に作付けたと聞きました。そのためか定かではありませんが、輪の小さいバラが目に付いたように思います。

 

ひとつ前の2008年北京。

赤いバラ 、ヒペリカム、トラノオ、ミスカンサス、レザーファン、ホスタ(ギボシ)など。

中国らしく赤で統一したブーケです。水泳の北島康介選手が「何も言えねぇ」といったあの大会です。

 

2004年アテネ。

オリーブ、ソリダコ、ガーベラ、小菊、スターチスらしき青紫色の花。この青紫の花だけは何か特定できません。リンドウのようにも見えますが、ヨーロッパでも中部辺りだったわかるのですが、ギリシャでリンドウというのがいまいち疑問が残るところです。

オリーブの花ことばは「平和」ですから、平和の象徴オリンピックが発祥の地アテネに戻ってきた大会としては、実にふさわしい花材といえるでしょう。

水泳の北島康介選手は「チョー気持ちいい」の言葉を残し、同年の流行語大賞に選ばれました。室伏選手がハンマー投げで金メダルを獲得されたことも個人的には大拍手。

 

2000年シドニー。

ピンクッション、カンガルーポー、クラスペディア、オオニソガラム、バンクシア??らしき筒状の花。オオニソ以外はオーストラリア原産のネイティブフラワーを使っています。

 

1996年アトランタ。

ヒマワリ、ケイトウ、小さなパンパスのような形状をしたもの。

オリンピック100周年目はアトランタが開催地に選ばれました。御年35歳(!)で挑んだ走り幅跳びで大会4連覇を成し遂げたカールルイスには、世界中が拍手喝采を送りました。ロサンゼルスからバルセロナまでで8つの金メダルを獲得した上の有終の美を飾りました。

 

1992年バルセロナ。

ブルファン、カーネーションなど。

 

ついでに冬季オリンピックも見てみましょう。

2010年バンクーバー。

キク(シャムロックのようなグリーン)、ヒペリカム(グリーンの実)、レザーファン、ハラン、モンキーグラス

全てグリーンの素材で作られています。この時のブーケは、花産業従事者だけでなく、様々な問題で心を閉ざした人や更生中の人なども積極的に採用し、花の制作を通じてセラピー的な効果を上手く利用したと言われています。

フィギュアスケートのキムヨナ選手と浅田真央選手の頂上決戦が大変注目された時でした。

 

2006年トリノ。

ツバキ、シキミア、ツバキの葉、ポトス、ユキヤナギなど

なぜイタリアでツバキなのか・・・と頭をひねりましたが、私のような短絡的な思考回路で以下のような理由を考えてみました。

①冬だから、冬の花といえばツバキ

②イタリアの大作曲家ヴェルディが書いたオペラ「椿姫」からツバキ

皆様はいかが思われますか。

荒川静香さんが金メダルを獲得したあの時です。“イナバウワー”とは社会現象にもなるほど流行った言葉でしたね。ふざけてでも今やると“ギクッ!”といきそうなので、気持ちだけですが。

 

2002年ソルトレイクシティ。

ヒマワリ、トラノオ、リンドウ(かな?)など。

 

1998年長野。

主にアルストロメリア。

デザインしたのは村松文彦先生。長野産アルストロメリアを使い、聖火台をイメージしたーブーケでした。花の部分が輪になっていて、リースのようなイメージです。作られたのは約800個。西欧では「円」をかたどったリースは終わりのない永遠ということから、大変縁起の良いものとして使われます。国内外の選手から喜ばれたことでしょう。しかも、日本ではこのころ花の生産消費は最盛期で、中でもアルストロメリアも比較的真新しい花と注目された成長株でしたから、地元長野産のアルストロメリアとなれば、これは間違いなくストーリーが確立された素晴らしいブーケだったことでしょう。

 

さて、2020年東京の話に戻ります。

東京オリンピックではどのようなブーケが何個作られるのでしょうか。

 

 

・・・明日の小欄につづく・・・(*^-^*)/

 

 

 

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