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韓国の花事情

2024.01.24

こんにちは。みんなの花研ひろばです。

 

フローラルデイリーに韓国のお花屋さん事情が掲載されていました。衝撃的な内容です。

人口動態による需要減少の一方で、花き仕入れ価格の高騰というマーケット状況に陥っているとのこと。実は韓国は出生率が低下したため若者人口が減ってしまい、卒業式の花などの需要が減っているそうです。同時に供給も減少して取引価格に一部高止まりがあるようです。ウォンも対ドルでは安いようなので輸入品の価格もなかなか大変なようです。

記事はこちら。

 

需要と供給のバランスにおいて、需要が下がった方が早かったのか、供給の減少が早かったのかが定かではありませんが、日本がおかれた状況と似たような印象を受けます。日本の家計支出調査のデータを見ると、一世帯あたりの切花支出金額はじわじわと減っていることがわかります。2023年1月から11月まで(12月の発表はこれから)の二人以上世帯における切花支出額の累計をみると、過去数年の中でも最も低くなっています。12月が発表されたところで挽回するほどではないであろうと思われます。似たような状況にある韓国のお花屋さんがどのようなマーケティング策をとっていくのかは参考になるかもしれません。

 

ほかにも韓国のユニークな植物関係の記事がありました。

「ペット植物」時代到来。AIを活用しておうちでゲーム感覚で育てる植物が流行っているとのことです。

 

コロナの影響でここ数年、植物を自宅で栽培する人が増加。在宅時間が増え、室内の空気浄化のために植物を育てる人口が大幅に増加したことが背景にあるといいます。しかも、単なる植物栽培にとどまらず、AI技術と融合した先端技術で最適化された状態で植物を栽培して、管理の手間も軽減してくれるのだそうです。

 

さらには、韓国では生産においてもAIロボットの導入が実用化されているようです。「スマートファーム定植ロボット開発」の記事。

 

そして、植物を栽培するときは「植物の信号キャッチ、状態を把握、水・養分をタイムリーに 新たな農業技術開発」

 

ついでに、花き消費の変化はこんな感じ→「ピカチュウ」「シナモロール」…韓国・卒業式を変えたセルフ花束

 

その結果、昨年国民1人当たりの花消費額は前年比11.1%増加したって記事もありました。

 

記事によると、国民1人当たりの花消費額は1万3,764ウォン(約1,500円)。人口が5,200万人とすれば個人消費が780億円と試算されます。切鉢合計なのかどうか、この記事の文面だけでは確証はありませんが、個人消費では合計かもしれません。(※日本の個人消費は切鉢合わせて推計約7,080億円 フラワービジネスノート2024参照)

 

花き栽培農家も7,134戸で、前年より1.8%(125農家)増加。これらの花き消費と生産の増加もコロナ新型コロナウイルス感染以後、停滞していた花産業が次第に回復傾向を見せていると記事内では分析しています。

 

ビッグマック指数(国の物価水準を表す指数)もスタバのカフェラテの価格も日本より韓国の方が高くなった今、韓国の方が一般的に購買力が高いことを考えれば、韓国の商品やサービスを参考にするところは多いのではないでしょうか。購買力が高くなれば高付加価値の商品・サービスが付加価値がさらに上げていく、設備や科学技術への投資が高まり、賃金も上がっていくサイクルが生まれます。あらゆるコストが上がっている今、日本もそのサイクルを回していきたいものです。

 

それではみなさま、ごきげんよう。

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