OPERATIONAL PERFORMANCE花研コーヒーブレイク

東京のすごい開発とフードデザート

2023.12.15

こんにちは。みんなの花研ひろばです。

 

先日小欄で東京の開発がすごいって話を書いたのは、弊社のボンソワールでした。同日、泥油が日経新聞を広げると大型開発で買い物難民が増えているという記事が掲載されていました。都市化によりそこの地域には高級スーパーが出店することになり、以前からの住民は低価格スーパーに行こうとするとかなり遠くなってしまう。このようなフードデザート(食糧砂漠)が広がっているという記事でした。

 

そんな記事を読んでから大型開発の話を聞いて2027年までの開発が掲載されている「BZ空間」を読んだものですから、これはひとつフレンチパラドクスならぬ開発パラドクスみたいな視点でブログを書いてみようかと、メモ程度にこのブログ作成に際し、タイトルだけ記載しておきました。さあそろそろ書こうかと、タイトルだけ書いてとっておいたページをクリックすると、なんともはや内容が埋め尽くされているではありませんか。

あら、アタシ、書いたっけ?

いつの間に??

いや~、書いたんやね、きっと。無意識に。

書いたかもしれませんし、書いていないかもしれません。誰から書いたのか不明ですが、以下の通りご紹介いたします。

 

「都市開発が進むと食品購入が困難になる」という不思議なパラドクスが起きているそうです。

あるエリアで大規模な開発があったとしましょう。複合ビルがどかんとできると、会社が入居しますから大勢がご利用する飲食店が近隣にできます。また、そこを中心に居住エリアが開発されると、富裕層が移り住み、住環境が大きく向上、一気にハイソな街が出来上がります。これをジェントリフィケーションといいますが、以前小欄でもご紹介したことがあったかなかったかわかりませんが、あったようにも思います。

 

するとどうなるかといいますと、実は値ごろ感のある食料品を販売するスーパーや地域密着の青果店がなくなってしまうそうです。経済原則から、より利益率や需要の多い、法人向けや富裕層に向けたお店が増加するので、仮に食品スーパーがあっても高級スーパーという位置付けだったり、割といいお値段でこだわりの食材などが並べてあるようなお店になるそうです。

 

開発前は値ごろ感のある食料品店があっても、開発に伴い様々な理由でなくなってしまう。しかし、そのエリアに以前からお住まいの方々がいらして、徐々に高齢化が進む。そのような高齢世帯の方々が以前と同じように食糧(特に生鮮品)が購入できなくなるという現象が起きるそうです。これは日本特有のことでもなく、英国でも米国でも起きているのだそうです。この現象を「フードデザート」、つまり「食の砂漠」というそうです。ジェントリフィケーションの内側でフード・デザーティフィケーションが起こっている、つまり富の中で食の砂漠化が起こっているというパラドクスが発生しているのです。

 

過疎地域で人口が減少し、十分な商圏を確保できずお店が撤退、結果地域で買い物難民が増えてしまうという話ではなく、都心でも条件がそろえば買い物難民が起こるということですね。つまりフードデザートが生まれる条件には複数あり、恐らく今後もその条件は多様化して増えるのではないでしょうか。

その条件としては地域としての働き手の確保の難易度だったり、物流の困難さ、気象条件の変化ということだったりするかもしれません。「食の砂漠」に巻き込まれる生活者にとっては、「花きの砂漠」と読み替えることもできる深刻な問題になりうるのではないでしょうか。

 

それではみなさま、ごきげんよう。

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