OPERATIONAL PERFORMANCE花研コーヒーブレイク

8月15日

2013.08.15

 

8月15日といえば、もちろん私たち日本人にとっては終戦記念日。今朝のNHK7時のニュースも「今日は終戦記念日です」の第一声から始まった。

 

しかし、8月15日を終戦記念日としているのは、世界でも日本と朝鮮半島の国くらいらしい。

では、世界の標準的な共通認識として第2次世界大戦はいつ終わったかというと、9月2日になっている。参考として米国の小学生用に使われる歴史の教科書を見てみる。日本が「降伏」した日も9月2日になっている。(↓この通り)

(写真1)

 

 

9月2日は何の日かというと、ポツダム宣言に調印した日。米国や英国、フランス、カナダ、ロシアなどはこの日を終戦記念日(国によっては対日戦勝記念日や戦勝記念日)としている。日にちとしてはこちらが世界的な常識らしい。

では、どうして日本は8月15日を終戦記念日としているかというと、もちろん昭和天皇による終戦の詔書の朗読がラジオで流され、国民に日本降伏が公表されたから。8月14日にはポツダム宣言の受諾を連合国各国に通達しているが、9月2日でも8月14日でもなく、8月15日であるというのは、政治的にどうかというより、やはり昭和天皇の詔勅がいかに日本国民の心情に衝撃を与えたかということなのだろう。

日本の教科書では、高校生の日本史になると“9月2日に太平洋戦争が終了した”と記載してあるらしいが、全然覚えていなーい(困)。きちんと勉強しないといけませんね。

 

ところで、どうして米国の小学生の歴史の教科書なんて入手してみたかというと、やはりこの機会に太平洋の向こう岸の米国から見た戦争はどんなものかと思ったことがきっかけ。日本が思う太平洋戦争と見方や認識が違うことがあるのではないかと、ちょっとした興味が湧いたことから。(←決して深くありません)

購入したのは4-6年生が使うもの。(それ以上高学年になると、英語わかんないかもしんないしー、難しいと読む気失せちゃうしー(-ε-))

AMAZONで普通に買えた。

 

中味を拝見すれば、日本の歴史の教科書よりわかりやすいんじゃないかと思うほど明解に解説されている(花マル◎!)。

カラフルでフォントも内容によって変えられている。ところどころ年表も挟んであり、読んでいて頭に入りやすい。

 

 

実際読んでみて、どのくらい日本の教育の内容と違うか。米国が世界のリーダーとしていかに存在感を発揮してきたかという視点からの記載が多いかな・・・というのがひとつ。

 

もうひとつは、例えば第2次世界大戦のことであれば、米国の教科書ではホロコーストのことが1ページ丸々大きく取り上げられ、何百万人のユダヤ人が虐殺されたことは書いてあっても、日本の原子爆弾でどのくらいの被害が出たかは書かれてない。日本の小学校の教科書は、原爆のきのこ雲の写真がのっていたようなうっすらとした記憶・・・

しかも、日本の原爆に関する記載はこれだけ。(↓これと最上部の<写真1>のみ)

 

 

第2次世界大戦のキーパーソンが紹介されているページもある。自国が辿った道に集中するより、戦争の全体を見ようとする点も少し異なるような気がする。

マッカーサーがクリント・イーストウッドみたい(左下の人)。日本人にとってのマッカーサーっておよそサングラスとパイプがセットだから。

このページには日本人も紹介されている。

お察しの通り東條英機氏。右ページの下から2番目のメガネをかけている方。(どのように紹介されているか、ご興味のある方はAMAZONで購入できますので、ご覧になってみてください)

 

この教科書の内容の差をどうみるか。

史実は限りなくあって、勉強に終わりはない(と思う)。だからこそ、結局現代を生きる人が歴史を“選んで”人に伝えている、あるいは学んでいるような側面があるのだろう。

例えば、小学生に伝えたいあの戦争の悲劇として米国ではホロコーストを選び、日本は原爆を選ぶと。
いずれも事実には違いないが、それぞれの国によって優先順位が異なる。それこそが、それぞれの国で生きる人々を知ることにも繋がるのかも。
過去を学んでいるようで、実は現代を学んでいるということでもあるのだという気がする。

 

 

ま、すみません。あまり詳しくもないのに、これ以上このコラムで戦争のことを深掘りするつもりはなく、つまり何が言いたかったかというと、、ひとつの事を見つめるときに角度を変えると別のことが見えてくるということだけなんだな。あらゆる角度から見ようとする気持ちを忘れてはいけない(自戒)。

米国の歴史の教科書と日本のそれとは、同じ事実を語るにつけても全く観点が異なる。

私たちも、こちらの岸から考えるばかりでなく、対岸に立つ相手や協業させていただくパートナーさまの視点を忘れることなく、仕事をしていきたいと思う。

 

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