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書籍『土偶を読む』植物と人間の関係を示す新たな学説!

2023.02.07

こんにちは。みんなの花研ひろばです。

今回は食用植物と人類の関わりのような話をしたいと思います。

 

土偶・・・ご存じだと思いますが、縄文時代の古墳から発掘された土人形です。

ハート形やゴーグルをつけたような土偶が有名です。歴史の教科書には必ず載ってますね。誰もが聞いたことがあり、その代表的土偶のデザインを目にしたことがあると思われます。

そのデザインイメージはいったいどういう背景から生み出されたものか、実ははっきりと明確な答えがあるようでなかったのです。豊穣祈願ということは直感でわかりますが、あのようなハート形の顔にした意味がどうもはっきりしなかったのですね。

 

その土偶に関する新たな学説を発表したのが『土偶を読む』という本です。著者の考察は、ジェームズフレイザーの書いた「金枝篇」(文化人類学の古典的名著)などに示されるように、世界中にみられる植物祭祀の痕跡が日本の縄文時代の遺跡から発見されなかった、それは何故かという疑問から発展します。

結論としては、土偶そのものが植物を祭るものであり土偶は食用(有用)植物をかたどったものだという発見に至ります。遮光式土偶はサトイモをかたどったという説明から始まり、あらゆる有名な土偶の顔、形、模様が食用植物由来であることを明快に示しています。土偶の形が農作物の食用部位にそっくり。ハート形をした顔の土偶とはつまりクルミを半分に割った断面とそっくりなのです。縄文時代が狩猟ではなく食用植物の栽培(管理と言った方がいいかも)も相当行っていたという最新の考古学研究との整合性もあり、腑に落ちる説明です。

こちらの学説が専門家の間でもまれて検証されて定説になるのかどうかは現時点ではわかりません。しかし将来もしかすると教科書の説明が書き替わるのかもしれませんよ。

 

それではみなさま、ごきげんよう。

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