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秋の夜長におすすめ本◆『食用花(しょくようか)の歴史』

2022.09.22

こんにちは。みんなの花研ひろばです。

 

『食用花の歴史』(著者:コンスタンス・L.・カーカー、メアリー・ニューマン、原書房)という本が面白くて、パラパラとめくっています。

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世界各地の食用花について歴史的に論じてまとめた本です。日本を含むアジア、地中海と中東、ヨーロッパ、南北アメリカという分類でそれぞれの地域で主に食べられてきた、または今でも食べられる花を歴史的なことなどと共に論じています。ヨーロッパならローマ人、古代ギリシア人まで遡りますし、南アメリカならアステカ人、アジアなら紀元前のシュメール人が食した食用花についても紹介されています。インドでは食用花を使うことはアーユルヴェーダ(サンスクリット語で「生命の科学」の意味)の治療の一環とされていたという説明も。

あるいは旧約聖書に登場する食用花のうち、タンポポ、サフラン、ショウブやシナモン、アロエなどは私たちも知る植物で、どのような用途で食されていたか、大変興味深いとkろおです。

 

アジアではキクやカンゾウがよく食されていたと。サフランというのも雌しべを利用すると思いますが、食用花として随所に紹介されています。

英国のサフロンウォールデン(Saffron Walden)という町紋章もカラーで紹介されていました。

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なんと!ちょっと昔に滞在してお世話になった街でして、いきなりここで紹介されていたことで昔の記憶が走馬灯のように蘇り大変懐かしく思いました。サフロンウォールデンは、英国紙The Sunかなにかで「英国で最も住みたい町」ナンバーワンに選ばれたことのある、とても落ち着いた雰囲気の閑静な住宅街です。サフロンウォールデンという町名がサフランの生産が盛んだったからというのは聞いたことがありましたが、この紋章は見たことがありませんでした。この本によると、サフロンウォールデンの名の通り、かつてはサフラン栽培の中心地だったことから命名されたとあります。

 

世界中に花を食する文化が地域の植物と共にありというポイントが興味深いです。キクについては、中国から伝来した植物ですから、日本は導入期は中国式の食し方に倣いました。中国では菊酒なるものがあり、これは前年の重陽の節句に仕込まれるものだそうです。漢の武帝の時代に飲まれていたそうですから、さすが歴史がありますね。

随所にカラー写真で食用花が紹介されていて、巻末には食用花を使ったレシピも掲載されています。

ハイビスカスのチャツネとか、スミレとパイナップルのスープ、バラのソルベ、アメリカ先住民のカボチャの花のプディングとか、7月14日フランス革命記念日に食すケイパーとナスタチウムを使ったサラダ などなど、世界各地の人々の歴史文化を垣間見ることができて、どんどん読み進めてしまいます。

秋のふと涼やかな夜に読むにはぴったりです。

 

もちろん、花に興味のある方ならフラワービジネスノートはもっとぴったりです。

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それではみなさま、ごきげんよう。

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