OPERATIONAL PERFORMANCE花研コーヒーブレイク

年に1度は自分診断★産地ごとの分析がいいね

2022.02.28

こんにちは。泥油育子でございます。

毎年、多くの行政やJA様、生産者様から産地様ごとの取引分析業務のご依頼をいただき、これも私たちのドメイン業務の一つとなっています。本年度、Z県様よりご依頼をいただき、Z県生産主力品目であるAについて、その品目とZ県様の評価、これからマーケットで展開を予定している新品種の評価、分析などについて調査の上ご報告いたしました。

 

・花き業界全体の動き、コロナ禍を受けてどのように取引が変化したのか

・その中で品目Aはどのような取引トレンドであったか。どのくらいコロナの影響を受けたのか

・その中でZ県の品目Aはどのような取引トレンドで、バイヤーのみなさまからどのような評価を受けているか。

・Z県ではどのくらいコロナの影響を受けたのか

 

まず前半でこれを調査したところ、品目Aはコロナの影響を受けたことで取引が縮小傾向にありましたが、Z県の品目Aの単価は全体の単価より高く推移していて、且つコロナ禍においてもあまり取引トレンドが変わっていませんでした。むしろ取引単価が上がっていました。調べてみますと、一つの理由としてZ県の品目Aを買う人は、品目A全体のお客様層と大きく異なり、コロナの影響を受けにくいカテゴリーのお客様が多いことがわかりました。

 

しかしながら、単価を見ていても他産地より評価が高いはずなのに、なぜか過去5年の取引で縮小傾向にあり、とはいえコロナの影響を受けた結果ではなく、当社としてはこれがどうしても解せずに分析してみました。すると、Z県ではこの品目の生産品種約40種ほど。そのうち生産量が最も多いY品種が約1割を占め、その取引結果があまりよくないことがわかりました。さらにはその品目を支える神セブンともいうべき上位7品種で、全体の40%を占めているのですが、その上位7品種のうち5品種が取引ダウントレンド。さらにさらに、神イレブンともいうべき上位11品種で全体の50%を占め、そのうち7品種がダウントレンドであることがわかりました。

せっかく評価が高く、全体平均よりも単価が高い傾向にあるのに、これまでの感覚でダウントレンドにある品種を生産し続けていたら、やはり農家さんの収益に大きく影響することでしょう。作付けの数パーセントでもダウントレンドの品種から伸び筋の品種に変えていくことで、収益を改善することができると思います。

 

また、買参人のみなさまにご協力いただき、カテゴリー別に(専門店さんとか量販店さんとか仲卸さんとか・・・)Z県からの未来の新品種につき、実際のサンプルを以ってアンケートを行いました。5品種のうち2品種はかなり評価が高く今すぐにでも販売できそうな結果、ほかの3つもかなり評価は高かったものの、それぞれに改善の余地があり、それをクリアすればかなり安定的に、あるいはかなり有利に販売できる可能性のある品種であることが窺えました。

この調査をしていて印象的だったのは、ご回答をお願いした買参人やデザイナーの皆様が本当に真摯にアンケートに回答してくださったということです。その花の印象、発売されたらこんな用途に使いたい、自分は使わないけどこのタイプの人達だったら使うとか、この色は今の時期はNGだけどこの季節なら使うとか、本来ならばこの色が欲しいとか・・・。その産地ブランドに対する印象やSNS発信改善点など、どの買参人様もとても丁寧に回答してくださいました、本当に花研から大した御礼などできないのですが、それでも尚、私たちが想像していた以上の丁寧で詳細な回答をいただき、アンケート用紙を一つ一つ拝見しながら感謝の気持ちでいっぱいになると同時に、日々買参人やデザイナーのみなさまがいかにひたむきに花に向き合っていらっしゃるかを垣間見ることにもなりました。このように生産は消費の声を聴き、実需者は現場の声を生産者さんにお戻しして、花き業界は徐々に前進していくものなのだなと実感した次第です。

 

ざっとですが、例えばこのように調査、分析して、Z県さまにはレポート形式、及びプレゼン形式の2本立てで納品し、以下のよう感想をいただきました。一部例↓

◎「私たちの産地にフォーカスされた内容で、とても勉強になりました」

◎「色目のトレンドなど花きの専門機関ならではの要素で、大変参考になりました。」

◎「色目の領域は、センスや感覚的な部分が問われるだけに難しいのですが、具体的にカラーチャートを使った解説が勉強になった。」

◎「とてもよくまとまった分かりやすいレポートで、産地の課題を整理し、折に触れて課題解決に向けて取り組んで行きたいと思います。」

◎「“勉強になることが多かったので、今作の後にいろいろと考えましょう”といった前向きな声を生産者さんから聞けて良かった」

 

今後目指すべき方向や今チャレンジしていることは未来につながるかどうか、きっと分析結果は今後の生産に生かしていただけるものと思います。

そしてこの結果は、あらゆる社会現象や経済環境の影響を受けて1-2年で大きく変わります。トレンドの潮目の年をまたげば、1年の変化は驚くほど大きいものです。ぜひ、みなさまのご出荷物の取引の特徴(お客様や評価など)や取引トレンドを分析して、今後の生産とご出荷を検討材料としていただけますと幸いです。

 

本日は当社のサービスの紹介でした~!ぜひ当社のデータ分析サービスをご活用いただきたく存じます。

 

それではみなさま、ごきげんよう。

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