OPERATIONAL PERFORMANCE花研コーヒーブレイク

クレマチス殺人事件 by『相棒』

2022.02.03

こんにちは。2月3日節分の泥油育子です。

 

昨晩、テレビをザッピングしていましたら、コチョウランのハウスを背景にしたドラマをやっていました。ドラマ番組でザッピングの手が止まることはないのですが(すぐ飛ばす)、花や植物が出ていれば話は別です。よく見たらあの「相棒」ではありませんか。とはいえ、ほぼ終盤で犯人のところに水谷豊さんと反町隆史さんが畳みかけに行っているところでした。あー、残念。時すでに遅しでしたが、事件の全貌を暴くのにダイジェストで犯罪シーンが流れ、花を生業にした人をメインにしたストーリー仕立てということはよくわかりました。

しかし、今は便利なもので、こちらから期間限定で放送された回をキャッチアップしていただけます。見逃してしまった方、もう一度見てみたい!という方は、ぜひこちらからどうぞ。

 

番組のタイトルは「ディアボロス」。悪魔を意味するギリシャ語で、類まれな才能に恵まれ活躍するフラワーデザイナーに嫉妬して、そのデザイナーを潰すことに躍起になって破滅する悪魔のような存在を描いたストーリーです。その悪魔さんは、ハニトラとしてフィアンセとなる女性を2度デザイナーの元に送り込んでおきながら、2度とも奪い去って創作意欲を失わせようとします。さらにはそればかりではなく、業界で権力のある人を使いフラワーデザイナーとしての活躍の機会さえも奪おうと手を回します。ところが若干の計算違いが出てくるのは、悪魔ではなく人が為しうること故でしょうか。二度目に送り込んだフィアンセは、ハニトラのはずが本気になってしまい寝返ってしまいました。それに激怒した悪魔さんは、クレマチスの蔦で首を絞めて殺してしまったのです。こが事件の発端。

 

クレマチスはギリシャ語の「クレーマ」(ブドウの枝)が語源となった名前です。ブドウの蔓のように伸びる性質であることからこの名が付いたようです。一方、クレマチスのうちテッセンは中国原産。中国では鉄線蓮と呼ばれているようですが、そもそもはその蔦が鉄線のように丈夫であることがその名の由来。相棒の中でも杉下右京さんがその博識ぶりを披露しています。そのテッセンの蔦で、嫉妬に満ちた花き仲買人が奇才のデザイナーの傍で花材の納品を手伝いながら、2回もハニトラを送り込んだ挙句に殺人事件を引き起こしてしまうのです。

※クレマチスの蔦が人を窒息させるほど丈夫なのかわかりませんが、決してクレマチスの蔦で人や動物の首を絞めないでください。あ、いえ、クレマチスの蔦でなくても人や動物の首を絞めないでください。クレマチスの蔦がどのくらい丈夫かは、クレマチスのシーズンになったら弊社で実験してみたいと思います。入手可能なクレマチスは落葉性なので、今は枯れっ枯れです。

 

犯人究明に際し、オリエンタルユリのユリのカサブランカ、コンカドール、イザベラという品種名までストーリーの中で重要な役割を果たします。カサブランカはご存知の通り白の大輪ですが、コンカドールは黄色、イザベラはピンクの八重です。いずれも人気の素晴らしい品種です。

ちなみに、花研らしく(?)一応オリエンタルユリを多い順にいくつかご紹介しますと以下の通り。(2021年1-12月大田花き)

1.シベリア(白)

2.カサブランカ(白)

3.プレミアムブロンド(白)

4.ザンベジ(白)

5.シェイラ(ピンク)

6.ベンドーム(ピンク)

・・・以下、1年間に流通するオリエンタル品種は240種ほどありまます。

 

品種名はダリアでも出てきましたね。「黒蝶!」と奇才のデザイナー役を務めた渡辺豪太さんが、デザイン中に花き納品業者(兼アシスタント)の犯人にお願いするときに言っていました。手術の時の「メス」みたいな感じで。

 

さらにほかの花の名前も!?

テレビ朝日の相棒の紹介HPを見ますと、「小手鞠によると、氷室の前のパートナーは3年前に謎の失踪を遂げていて、・・・」、コデマリによると~ってえー、その1文だけなんだか意味不明!?と思っていましたが、枝物のコデマリではなく、登場人物のコイデ・マリでした。飲み屋の名物ママさんの役ですが、うーん、花の回になるとこの名前はかなり紛らわしい。もっとも、コデマリを漢字で表記すると「小手毬」なのでしょうか?違いがよくわかりませんが、鋭い人はすぐ人名とわかったかもしれませんね。渡部豪太さん演じるデザイナーは展示会場で会ったときに「コテマリさん!」と呼んでいましたが、これはもしかして・・・??ま、いいや。

今回の撮影に関する協力は番組のエンドロールにてご確認いただければと思います。

 

この回で素晴らしいのは、右京さんが「花き市場(かきしじょう)」とおっしゃるんですよ。「花市場(はないちば)」でも「卸売市場」でもなく。「花き市場」と的確に言っているドラマを見たのは初めてです。全体のストーリーから細部に至るまで本当に面白く、すばらしくよくできていて、どなたが書いたのかと思いエンドロールを見ましたら「岩下悠子さん」という方でした。軽くwikiってみましたら、「科捜研の女」や「おみやさん」などにも脚本を提供しているヒットメーカーさんではありませんか!これから注目してみたいと思います。

 

ちなみに、ドラマ×植物繋がりで、来年2023年のNHK朝ドラは、日本が世界に誇る植物学者、牧野富太郎がモデルだそうです。神木隆之介さんが牧野さん役をされるのだとか。こちらも楽しみです。

 

それではみなさま、ごきげんよう。

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