OPERATIONAL PERFORMANCE花研コーヒーブレイク

花の人生丸ごと観賞 枯れても尚観賞

2021.10.20

こんにちは。泥油育子です。

8月くらいでしたが、事務所にアンスリウムの切り葉が1枚だけ飾られていました。緑色で青々、艶々とした大きくてきれいなアンスリウムの葉です。

どこからやってきたのかわかりませんが、誰かが飾ってくれたのでしょう。あまり水も汚れませんし、暑くても良く持ちますし、経過観察だけしていました。

 

暫くアンスリウムらしいツヤツヤとしたグリーンを保っていましたが、徐々に葉脈に沿って黄化が見られました。グリーンと黄色のまだら模様な感じで、これはこれで素敵ではないかと思い、暫くそのまま観察していました。最初の姿を知らない人や業界の方でなければ、こういうものだとして受け入れることもあるのではないかと思うほどのカッコよさ。この時点では形の変化はなく、色と質感の変化が見られました。

暫く経過すると、さらに全体が茶色くなって、艶感はなくなりました。季節も秋になりましたので、なんだか季節の移り変わりを体現しているようで、これはこれでいいじゃないか♪季節感アルネーと思って、そのまま観察していました。コーディネートの仕方によっては、とてもいい空間演出をしてくれるアイテムだなーと思いながら。

 

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そこからさらに数日すると、褐色度が増して、葉の淵が来るんと丸まって、チョココロネかこんがりクロワッサンか、はたまたマリーアントワネットの巻き髪かというくらい、ギュリンギュリンにカールしました。もはや生花とは言い難い様相ですが、それでも尚、飾る場所やコーディネートによっては装飾価値のある姿のように思いました。

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そこから暫く飾っていましたが、茎の繊維も切れそうになり苦しそうな感じがありましたので、最後は処分しました。枯れて褐変し、きゅりんと葉を丸めて姿を変えたアンスリウムの葉もまた観賞価値があるものだなーと思いましたが、これまた個人的な価値観であり、多くの人にとっては「枯れた葉は処分したら?」ということもあるかもしれませんので、環境美化のために一旦処分いたしました。

アパレルショップなどに行くと、あえて枯れて花首が垂れたような雰囲気の花が花瓶に挿してあったりします。それらはドライフラワーとはまた別もので、生花を長期にわたり花瓶に挿しておいて、花色が褐変したままの雰囲気を楽しんでブランドのアンティークなイメージを演出しています。その植物の後半の人生丸ごと楽しむことで、日持ちとはまた違う観点で長い観賞期間を満喫するという視点といえるでしょうか。

それに適したアイテムとそうでないものがあると思いますが、実はそういう価値を見出すのはより川下に近い人の方が得意だったりするかもしれませんね。

 

それではみなさま、ごきげんよう。

フラワービジネスノートはこちら。

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