OPERATIONAL PERFORMANCE花研コーヒーブレイク

ここに観賞用の枝物があります。「切り分けて飾ってください」→皆さんがイメージする枝ものの形とは

2021.09.23

ちょっとした思考実験です。

ここに観賞用の植物、それも枝物があります。「その枝物を切り分けて飾ってください」という指示だけがあったとしましょう。

この場合、どういう枝物植物をイメージしますか。絵に描いてください。

これが問題文です。
回答の傾向を予測すると、こうなると思います。

 

普通の人なら枝分かれしている形状の枝物商品をイメージされるのではないでしょうか。切り分けるという言葉から、分枝した枝を切り分けるという作業をイメージして回答図を決めるのではないでしょうか。しかし、花業界で流通する枝物はそういう形ばかりではありませんね。分枝したものもあれば、長い一本の形のものもあります。一本の場合には、途中で切って複数のパーツに分けて飾りますね。ですから絵は二つ、もしくはヒバのようなものも描いてあったりして・・・つまり詳しい人にとっては枝物の形だけ答えとなる絵が増えるですが、少なくとも二パターン、分枝タイプか直線タイプか両方のパターンが生活者の頭脳に落とし込まれているといいのですが、まだまだなんじゃないかあ、そこに付けこむべきだろう、というのが今回のテーマです。

 

少し脱線します。

小学校で花育をしていると、この長い一本を何本かに切って使うことに気が付くかどうかで、手慣れた児童か慣れてないか、わかったりします。わかる人は直ぐに手が動きますし、わからないとびろーっと長いままいけたり、よくわからないから先端だけ使ってあとの大部分を捨てたり、全く使わないという事に出くわします。まま、児童の自由な発想で花をかざればいいとは思いますが、無駄なくあまねく花材を使うというのも重要かなと思いまして、一応切り分けることを伝えて、あとは自由にまかせますが・・・。
実は長ーく花育を同じ学校でやっていまして、一か所で長くやるよりもたくさん複数でやるほうがいいのでは、と思う時代もあったのですが花の素材は切り分け方がわからないと(ほとんど気が付くかどうかというレベルですが、それでもぱっと気が付くほうがいいと思います)飾った時になんだかなあ、という事になりますので、学校で花育をする場合にはいろいろな花を使うパターンを長くする方がいいようですね。

戻ります。

最近家庭用需要が増えておりますが、いくつかの生活者調査によれば、ご自宅の花瓶は大変小型です。高さが20cm以下とかでしょうか。現状切花の流通している商品長さはどれぐらいが一般的なんでしょうか。70cm以上でしょうかね平均でいえば。長さは60cmぐらいでは短い方になるのではないでしょうか(品目特性にもよりますが、ざっと)。枝ものに限定すれば短いものでももっと長いものが多いのが普通です。
流通と自宅の様子とにミスマッチがある、これは普通のことなのでそれはそれでいいのですが、下ごしらえや飾り方の方法についての相互理解も不足しているとなると、これはいただけない。
ご自宅の花瓶サイズを想定してうんと短い商品で販売するか、それともえいやっと、長いものをそのまま販売し、切り分けるのは生活者にお任せするか、ということになります。キャベツでいえば、一個売りか千切りで売るか、というような考えです。
花はある程度素材のままお渡しした方がよい商品です。料理はある程度型があるので素材の加工は分類されますが花は花瓶のサイズが小さいとはいえ、嗜好性が高い為個人の自由な判断余地がいるのです。そうなりますと、ある程度の長さのまま販売することになります。
すると、説明が一本いるのではないかなあと思います。
枝物は切り分ければ、自宅にある3-4個の小さな花瓶に花と一緒にいけることができるのですが、そんな説明を書いたPOPは見た事ないです。おすすめ季節の花、とかそういうものはありますが。

 

それではみなさま、ごきげんよう。

フラワービジネスノート2022で枝物の取引マトリックスもご確認ください。

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