OPERATIONAL PERFORMANCE花研コーヒーブレイク

EUのECショップのビジネスモデルについて考察をしてみました。

2020.12.21

こんにちは。

こもりがちの桐生です。

 

最近、ECサイトでヨーロッパで流行っているフィールドブーケを販売しているサイトをちょいちょい見ています。最近、ヨーロッパではブーケデザインに新風がありまして、異なる花を一本ずつ使うプルックブーケ(プルックとはオランダ語で「摘む」という意味だそうです)なるデザインがあります。想像するに、野から摘んできたように様々な花を合わせた商品という感じでしょうか。その英語訳がおそらくフィールドブーケ。プルックブーケというより現物をイメージしやすく、が野から摘んできたという感じがします。

実際に花束の花材構成を画面で見ると、ガーベラ、バラ、それから季節の草花、そしてLAユリなどで構成されているので季節の花が使われているようです。花材自体はスペシャルなものではありませんが、とてもいいマーケティングだと思うのでもっと日本でも真似していいと思います。

 

さて、このコロナ禍においてデジタル化が大変進んだのは、どの国でも同様のようです。生花店でもEC化が進んでいます。以前は店頭販売が主流でしたので、生花店がどのような売り方をしているのか現地に行かないとなかなか窺い知ることはできませんでしたが、EC化が進みあっという間に目の前のPCで見ることができます。

さて、いくつかのサイトでフィールドブーケを見ていて、あれと思ったことがあります。それは価格です。3千円から5千のブーケ(送料別)が掲載されていますが、花の本数を数えるとどうも日本とそう変わらないように思います。オランダのとあるサイトに掲載されていた花を画面を基に計算しました。11種類の花で構成され上代が24.95ユーロ、送料が6.95ユーロです。仮に1ユーロが126円としますと、約3000円のブーケが11本で構成されているという計算になります。一般論として3分の1が花材代であると仮定しますと、一本あたり90円。東京都の中央卸売市場の年間の切り花平均取引単価が2019年で67円でした。
確かオランダの市場での平均的な切花取引価格が0.3ユーロ、40円弱ぐらい。
上代が日本と同じですが、素材の卸売価格がオランダ:日本では1:1.5というのがざっとした構図です。
ヨーロッパでデジタル化が進み、販売する商品の上代も上がっているのではないかと思うのです。covid-19による物流問題で経費が上がったりしているでしょう。上昇するコストをデザインの変更・販売チャネルが店頭からECサイトに変わった過程・・・で上手く様々なコストを上代に加えることができているのではないかなあ。やっぱりネットで販売となりますと、それなりの投資が要ると思いますし、配送費以外に保冷機能のある加工場などのバックヤードも必要です。また、カタログ販売ですから商品調達の安定性は更に必要でしょう。仲卸も相当在庫を確保しないといけませんね。ということは在庫仕入れと保冷設備への投資等がありますので、中間業者の卸価格も以前と比較して割高になっているのかも。
・・・どうなのかなあ、日本は卸から消費者まで多段階構造だって言われいますが、このEUでの事例が想像した通りだとすると、案外と欧米もEC化をすすめた結果、中間コストが膨らみ、生産者手取りと小売り販売との間にだいぶ乖離ができている可能性もあると最近思いました。日本よりも生花店のEC化が進んでいるかもしれませんから、日本でもECでのカタログ販売が増えた時の課題になるのかもしれません。

今日もちょっと真面目に考えてみました。

 

ふ~んと思っていただいた方は、こちらもついでにECサイトもぽちっとお願いできますと幸いです。

だいぶ在庫が減ってきましたので(おかげ様で!ご購入くださったみなさま、誠にありがとうございます!)、お早目にどうぞ。

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それではみなさま、ごきげんよう。

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