OPERATIONAL PERFORMANCE花研コーヒーブレイク

切花支出金額と収入は比例するのか。いやしない。それはなぜか。

2020.01.07

こんにちは。ボンジュール内藤です。

当社では、総務省が発表している花きに関する家計調査を毎月整理し、データベースとして保存しています。

 

例えば、「世帯主の収入階級別1世帯当たりの切花支出金額(二人以上の世帯)」も発表されていて、それを月別に数年分をとってまとめると、グラフ1のようになります。

<グラフ1>世帯主の収入階級別1世帯当たりの切花支出金額(二人以上の世帯) (2005、2010、2013-2018)

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グラフを見ると収入と花き購入金額は必ずしも比例しないことがわかります。・・・が、毎年の傾向が似ていますので、何らかの関係はありそうです。

一番左が200万円未満の10年間の推移で、右に行くほど年収が高くなります。一番右は年収が1,500万円以上の世帯の切花支出金額です。

さすがに一番右の10年を見ていると「1,500万円以上の人は、アタシらと通貨単位が私たちとは違うんでねーが??」と思ってしまいますが、同じです。もちろん円です。

 

過去10年ですと、ところどころ飛び出ているデータも見受けられますので、過去5年にして、それぞれの収入別に切花支出金額の平均値を出してみました。するとこうなります<グラフ2>

 

<グラフ2>世帯主の収入階級別1世帯当たりの切花支出金額(二人以上の世帯)2014-2018年の平均値

0117_03

 

1,500万円以上のセレブ世帯、スゴシ。年間約16,000円上を切花に支出しています。ありがとうございます^^!!

収入が多い世帯が切花支出金額が多いというのは理解できますが、収入300-400万円台の世帯においても切花支出金額が多く、600万円台で一度少なくなり、また800万円台くらいから増えていて、全体としてはS字カーブを描いています。

 

5年間の全世帯の平均より多い収入帯に色を付けると、こうなります。赤色に塗った部分が平均支出金額を超えていると収入帯です。

250万円から500万円未満、及び1,000万円から1,500万円以上が平均を上回ります。

0117_04

一方、緑色に塗られているところは、平均の90%以下のところです。200万円未満、及び600万円-800万円未満の収入帯が90%を下回っていることになります。

 

これをどう見るかですが、700万円前後の世帯収入があれば、現在の日本社会では一般的には豊かな方だと思いますが、それでも切花にあまりお金をかけられないのは、教育費やローンなど、他に必要なものがたくさんある世代が多く分布しているからではないかと推測します。

250-500万円は年齢層で見ているわけではないので憶測にすぎませんが、子育てや教育などにかけるお金が(いまのところ)不要、もしくはひと段落して、花を楽しむゆとりがある世代、あるいは年金所得世帯が多く分布しているのではないでしょうか。

 

花というアイテムは、リーズナブルにインテリアを整え、暮らしを彩り、健やかに気持ちよく日々を送ることをお手伝いできるもの。数本あれば季節感も演出でき、ちょっとした空間も美しくコーディネートできるのです。本来は収入の多寡にかかわらず、だれでも気軽に楽しんでいただけます。加えて、比較的どこでも手に入りやすい大変便利な商品ともいえるでしょう。このようなアイテムというのは、実はあまりほかに例がないかもしれません。

 

生活者のみなさまには、是非便利に、且つ気軽に花きを楽しんでいただけると嬉しいですね。

 

それではみなさま、ごきげんよう。

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