OPERATIONAL PERFORMANCE花研コーヒーブレイク

料理研究家の土井善晴さんに学ぶ

2019.08.06

こんにちは。ボンジュール内藤です。

 

土井善晴(どい・よしはる)さんといえば、国内でも人気の料理研究家のお一人ですが、ご多分に洩れずアタクシもファンです。見た目は塩味なお方ですが、専門はフランス料理や日本料理だそうです。とはいえ何でも得意なのだと思いますが。

さて、そんな土井さんはNHKのお料理番組によくご登場されますが、BSでもレギュラー番組を持っていらして、よくお見かけします。昨晩も番組をやっていて、家の片づけをしながら土井さんの発言に耳だけ傾けていたのですが、お料理を召し上がったときの第一声がすばらしいのです。

「気持ちがいい」

「こら青空ですわ」

などと、「おいしい」という言葉を使わずにおいしさを表現されるのです。こう表現されると、確かに「おいしい」という言葉よりもさらに具体的においしさが伝わる感じが致します。

 

土井さんを拝見してい思うのは、お料理は科学の世界でしょうし、素人のアタクシが思う数百倍も奥が深く、きちんと勉強すれば難しい分野の一つだと思うのですが、その難しいことを白か黒かではっきりと説明されるところがファンタスティックだということ。紐解いてみれば、実はお料理はその中間のグレーゾーンの世界が大きいと思うのですが、それをあっちかこっちかで説明されるところがお料理の敷居を下げ、また土井さんを塩味の親しみやすいキャラクターにしているのだと思います。

 

土井さんは大変な勉強家とうかがいます。過去においても現在においてもめちゃくちゃ勉強され、且つ研鑚を積んでいらっしゃるのだと思いますが、それをあれこれ披露されるわけでもなければ、教科書に書いてあるような科学的アプローチから紹介するわけでもありません。

「ここで塩をひとつまみ。

ひとつまみだけど、あなた(TV視聴者)がええと思えばそれがええ」

というような境界線の引き方をされる。これがとてもすばらしく、料理を簡単で日常的なものにしていると思うのです。

 

花もこのような方向性で生活者に情報発信していくということを意識していく必要があると思いました。花を飾るというのは決して敷居の高いものではなく、日常的なことで“あなたがええと思えばそれがええ”。そして最大の関心事である長持ちさせる方法も、すごくシンプルで簡単、手間のかからない方法がありますよということを広めていく。

キクはキクのベストの取り扱いがあり、バラにはバラのベストの取り扱いがありますが、それぞれに対する知識は業界の内側の人だけが持っていればいい。生活者に対しては、yesかnoかでお伝えする。難しいことはいろいろあるけれど、グレーゾーンでお伝えしたら花は多分疎ましがれてしまうのではないでしょうか。

必要としている人にはグレーゾーンもお伝えしたらええ。しかし、基本的には白か黒かがわかりやすい。土井さんを見ていて、そんな風に思いました。

 

土井さんはきっと中身も塩味なシンプルな方なのでしょう。難しいことを理解する力を持ち、更にはそれをシンプルに因数分解して一般の人にお伝えする能力のある方とお見受けいたしました。

道のりは遠くても、そんなことができるようになりたいと感じながら番組を拝見しておりました。

 

それではみなさま、ごきげんよう。

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