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Flower of the Year OTA 2011 結果発表&表彰式

2011.12.09

Flower of the Year OTA 2011の結果発表と表彰式を行いました。

 

遠路はるばる早朝10分の表彰式ためにお越し下さる受賞者の皆様には頭の下がる思いです。いつもにもまして早くご着席下さる買参人の皆様にはただただ深く御礼申し上げます。

 

 結果は以下の通りです。

☆最優秀賞

JA新いわて西部地域花卉生産部会 様

リンドウ  ニューハイブリッドアシロライトブルー

  

 

☆優秀賞

大野重雄 様(千葉県)

ケイトウ   オレンジクイーン

   

 

☆特別賞

尾崎洋蘭園 様(徳島県)

エピデンドラム  チドリ

 

※尾崎様は徳島県という遠方と繁忙期とが重なり、このたびは生憎ご欠席となりました。

 

☆新商品奨励賞

東北第一花卉 大山邦夫 様(山形県)

バラ    ブラッドオレンジ+

 

 

 

 

以下はそれぞれの受賞に関する当社の所感です。

リンドウ ニューハイブリッドアシロライトブルー

リンドウといえば、以前は仏花の利用がメインでしたが、JA新いわて様では「仏花からの脱却」をスローガンに長年にわたりグローバルな活動に取り組んでいらっしゃいました。育種の段階から力を入れ、通常は生産への注力に終わってしまうところを販売にも熱心に取り組まれた結果、盆・彼岸用の花のイメージ完全に払拭し、咲き切るリンドウ、洋花としてのリンドウのポジションを築きあげ、広く、高く評価されるようになりました。

ニューハイブリッドアシロライトブルーはノルウェーの品種との交配種で、八幡平市のオリジナル品種です。地域ブランドを立ち上げ、時代に即した成功産地といえるでしょう。

 

 

 

 

大野重雄様 ケイトウ オレンジクイーン

 

大野様の品質に対する飽くなき追求を経て、その独特な質感は代品の利かないユニークな雰囲気を醸し出しています。ダリアやシャクヤク、ラナンキュラスなどの人気商材と同様に、季節の大輪花としての確固とした地位を築いたと言っていいでしょう。

 常に高品質を維持されている大野さんのケイトウだからこそ多くの方からの信頼を得て、「大野重雄」というブランドが広く認知されました。

 

 

尾崎洋蘭園 エピデンドラム“チドリ”

小花が集まり、ひとつの大輪花を形成するマスフラワーの一つです。チドリというこの品種は尾崎様ご自身が育種されたオリジナル品種で、全国でも尾崎洋蘭園様しか生産していません。はっきりとした発色、大輪独特の豪華な雰囲気、立体的で大きなドームを描く、その姿は特異な存在感を放っています。生花でありながら幾何学模様であるかのように互生に展開する特徴的な堅い葉も、トップデザイナーの皆様にとっては生かしたくなるポイントです。丈が長いながらもしっかりと立つ性質から、生け込み、生け花、その他各種装飾などで広く重宝されました。エピデンの生産者が少ない中、花のマーケットに素晴らしい価値観をご提案くださったといえるでしょう。

 

大山邦夫様 バラ ブラッドオレンジ+

肉厚でしっかりした花弁、その形状は曲線が生かされた波状、色は元気の出る明るいオレンジの新しい品種です。花弁が展開していくとともに、オレンジからピンク色に表情を変えていきます。ブライダルや店頭販売などあらゆるシーンで多用されました。

3月の震災による大きな被害にも負けず、発色、輪の大きさ、花保ちなど全てにおいて高い品質を維持して新商品を大田花きに出荷してくださいました。夏の暑い時期でも安定した品質で継続的に出荷したことがこのたびの評価につながったようです。投票数もダントツで文句なしの受賞となりました。

 

 

総評

本年の受賞品種に共通して見られるものは、どれも強い生命力と圧倒的な存在感を感じさせるものであるということです。はかないイメージや線の細いもの、華奢や繊細というイメージからはほど遠く、生花が持つ生命力や力強さ、またその生命力から放たれる美しさの称賛を理由とした投票が多く見られました。長持ちに対する要求の高さも今まで以上のものを感じます。

更には地域や各産地のオリジナル品種の創出がキーになっていることが見てとれます。輸入に関税のかからない日本の花きマーケットでは、既に海外品との競争が激化しています。その中でも、オリジナルの品種を作りグローカルな価値を創出してブランド構築されるその取り組みは時代を読んだ成功例で、花き分野に限らず農業における生産分野全体のお手本と言えるでしょう。

本年のキーワードは生命力、大輪、存在感、地域ブランド、グローカリゼーションといったところでしょうか。曲線的な要素も引き続き人気の傾向であることが分かります。バラのブラッドオレンジの波状弁やエピデンチドリの大輪ドーム、ケイトウオレンジクーンの花模様を形成するクネクネ・フリフリラインに顕著に表れています。

 

 

★Flower of the Year OTA の選出方法

 

●最優秀賞と優秀賞

2008-2010年の出荷実績(偏差値)が継続的に右肩上がりであるもの(産地別品種別)、

且つ2011年においてその傾き(期待値)を超えて更に高い実績を残したものをデータ抽出。

大田花き営業本部によるノミネート

審査員による多数決

 

●特別賞

2011年単独年において、それぞれの品目で単価順に上位50品種(産地別)をリストアップ

大田花き営業本部にてノミネート

ノミネートリストの中から審査員による多数決

 

 

●新人賞

2011年より本格的に出荷を始めた新しい品種(産地別)をリストアップ

大田花き営業本部によるノミネート

審査員による多数決

 

※「審査員」とは?

大田花きの買参カテゴリー(4つ=仲卸・専門店・業務・量販)それぞれから、本年のお買い上げ金額が最も高かった上位3名の方に審査員をお願いしております。この4つのカテゴリー×3名様=12名の方を中心に、大田花きの役員や営業本部長を加え構成されています。

 

Flower of the Year OTA は、優れた花きの出荷を奨励し一層の品質向上を促すと共に、花の人気潮流調査、流行発信をしていくために株式会社大田花きが主催し、当社が運営しております。

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