OPERATIONAL PERFORMANCE花研コーヒーブレイク

チューリップ 開花の魅力は?

2017.02.15

先週の大田市場花き部2階、中央通路での展示はチューリップでした。

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小欄でもいくつかの品種をご紹介させていただきましたが、展示が終わり気になったことがありました。

それは、チューリップの魅力をもう少し別の切り口で買参人のみなさまにご紹介する必要があるのではないかということです。

先週のコメント通り、花研ブロガー2号個人の意見としてはチューリップはかなり上位にランクインしている品目の一つですが、買参人さまの中からは、チューリップの魅力がイマイチわからないとか、他の春の花を多く仕入れるようになったという声もちらほら聞かれます。

実際にデータで示してみますと、2014年までの大田花きにおける取引トレンドは次のようになっています。

TULIPS

簡単に申し上げますと、品種別にそれぞれの傾向値はあるものの、チューリップという品目全体では取引単価も数量も2005-2014年の10年でダウントレンドにあるということです(左下に赤いバブルチャートがあることがそれを示しています)。

このデータは2015年2月の弊社の情報提供サービス「ここほれわんわん」から引用したものです(毎月品目別の分析が掲載されています。様々な角度から分析されていますので、ぜひご覧くださいませ→「ここほれわんわん」はこちら

 

チューリップの魅力とは、(例えばですが)今、拙宅に飾ってあるチューリップは、自分がまるでシャクヤクか何か別のゴージャスな花であると勘違いしたかのように艶やかに花弁を展開しています。

この品種名はわかりませんが、通常の八重品種です。

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我が家に到着したときは、花弁は全て天井を向き、幼い少女のような雰囲気を持ったチューリップでした。それが、一気に壇蜜さんか壇れいさんか、はたまた永作博美さんのような大人の色気を発揮しています。

同じ品種の展開前の写真はありませんが、およそ通常の八重品種と変わりません。以下のようなイメージでした。

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あるいは前回のブログの繰り返しになりますが、ミステリアスパーロットという品種は、中央通路にあるときはこのように品行方正に見えますが・・・

(↓中央通路でのお姿)

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写真撮影のために常温に置いておいたらこんな風に魅力を開花させるのです。(撮影のために以前購入したもの)

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パッと見は全く別の花という印象です。これは決して枯れようとしているわけではなく、室温によって開花具合が変わるということです。

上向きに花弁を揃えて立っているだけがチューリップの魅力ではないはず。

上の八重ピンクのチューリップのように、花束に入れたチューリップが華やかに開花したら、生活者の方は喜びとともに驚かれるに違いありません。

 

しかし、中央通路に展示するだけでは、季節柄どうしても気温は10度から高くても15度前後で、花弁が展開する気配すらありません。今日や明日のように気温20℃とお天気予報のお姉さんがおっしゃったとしても、大田市場の建物自体が冷え切ってきますから、急に中央通路の気温が上がることもありません。

つまり、チューリップの本来の魅力を伝えきれずに展示期間は終わってしまうのです。切り前を固めでお送りいただいたものも、圃場で切ったときと変わらぬ姿で展示終了です。

展示の花をご出荷されるみなさま、これではもったいないと思いませんか?

(↓恐らくこれらの品種は展開したら、全く別の表情を見せるはずですが、今回はこの顔のまま展示終了です)

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ここ10年の取引がダウントレンドの今、例えば中央通路に展示することだけを考えても、買参人のみなさまにもう少し注目していただけるよう、チューリップの魅力を伝える今までとは違う何かする必要があるのではないでしょうか。

チューリップを仕入れる機会が少なかったり、ご自宅用に購入したことがなければ、開花後の魅力を経験したことがないかもしれません。

例えば室温によって著しく表情が変わる品種なら、展開した花姿の写真を添えるとか、開花ステージ3段階の表情の写真をお見せするとか、可能であれば動画もいいでしょうし、あるいは同じ品種のうち一部をセリ室に入れて、温かいところでどのような表情を見せるかをご覧いただくということもできるでしょう。大田市場の展示のみならず、様々な機会に表情の変化はお伝えできるといいと思います。

今回、中央通路では好きな品種にシールを貼ってもらうというアンケートを行っていらっしゃいましたが、開花したチューリップでアンケートをしたら、きっと今回とは別の結果を得たことでしょう。

開花前の花姿ばかりでなく、品種によって展開した艶やかな姿を皆様にご覧いただく機会にぜひ期待したいところです。

 

※チューリップは展開すると大胆に表情が変わるものと、あまり展開せず、変化のない品種とがあります。マーケットではそれぞれの用途で使い分けられています。

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