OPERATIONAL PERFORMANCE花研コーヒーブレイク

ヤリガイクンのフラクタル

2016.02.26

「フラクタル」とは、その物の一部と全体が同じ構造をしていることを指します。

つまり、何かの一部を切り取ってみると、それが全体の形と同じということ。

植物でいえばバラの一部分の構造にフォーカスすると、それが全体の構造と同じかというと、同じではない。だからバラはフラクタルとは言いません。この幾何学模様を思えば、植物の形の中でフラクタル構造を見つけることはなかなか容易なことではないかもしれません。

 

しかし、いまのところ一つだけ思い当たる植物があります。

 

 

ヤリガイクンです。

ブロッコリーとカリフラワーを掛け合わせたもので、野菜市場ではロマネスコという名前で出荷され、最近ではスーパーでも常設野菜となりました。そして歯ごたえも良くとても美味♪

花市場でもロマネスコの名前で流通することもありますが、デビュー当初はヤリガイクンという名前で出荷され(もちろん今でもしばしば)、これがまたインパクトが大きく、見た目のイメージと良く合っていて覚えやすいんですよね。

あのモシャモシャしたところ(正確には花蕾<からい>といってつぼみに当たる部分ですが)の一部を切り取った時の構造と、全体の構造が同じなので、ヤリガイクンはフラクタル構造をした珍しい花材(食材)なのです。

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この幾何学模様はヤリガイクンの存在感を圧倒的に特異なものにしていますね。

これが花市場でとても人気なのです。

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花材を見るときのポイントとして、色、形、サイズ、質感、香りなどがありますが、構造が織りなす幾何学模様の観点から花を見てみると、他にも面白い花がいろいろあるかもしれません。センペルビウム、エケベリア、ハオルチアなどの多肉植物、アガベの笹の雪や吹上(ふきあげ)、規則的に花弁を重ねるポンポンダリアなども真上から見ると吸い込まれそうなほど美しい幾何学模様をしており、花きにも面白い“模様構造”があることに気付きます。

 

ちなみに、ちょうど昨日農林水産省からFacebookにブロッコリー、カリフラワー、ロマネスコについての投稿がありました。

これらを「花野菜」といい、戦後カリフラワーが生活者の食卓に浸透したころには、セロリとホワイトアスパラガスとともに「洋菜の三白」と呼ばれていたそうです。

詳細はこちら↓

https://www.facebook.com/maffjapan/?fref=nf

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